ありふれた職業で世界堪能 3
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の順番で階段を降りる。階段の先はたしかに広い空間が広がっていた。規則的に並んだ柱とその先にある大きな扉とその前の広場に警戒度をさらに上げる。アイコンタクトで意見をすり合わせて徹を先頭に残りの三人が後ろで広がって援護できるように待機する。徹が扉に近づき、広間に足を踏み入れた途端、扉の前に魔法陣が浮かび上がる。忘れもしない、ベヒーモスが召喚されたそれと類似している。問題はその大きさが30mに近いということだろう。
そして召喚陣から赤い蛇の頭が出た瞬間、弾け飛んだ。続けて青、緑、黄と出てくるがそれらも即はじけ飛ぶ。
「ぼさっとするな!!畳み掛けろ!!」
徹が猟銃で撃ち抜いたのだろう。空薬莢が4つ転がっている。確かに全身が出てくるのを待つ必要はない。ドンナーを新たに現れた白頭に銃弾を叩き込み、ユエが緋槍で銀頭を吹き飛ばす。その後、後続に備えて臨戦態勢のままで構えていたのだが、召喚陣が消えかけていたので徹が赤頭を引っ張ると6頭の体が姿を現す。
「ヒュドラか?」
「再生能力も無いのにか?」
「ああ、原点の方か。ゲームなんかだと多種多様な魔法攻撃に複数行動とかがデフォルトだ。頭の色ごとに属性が異なるとしたら白頭が回復系だったんじゃないかな?」
徹が念入りにヒュドラの死体を剣鉈で叩いて検分を行う。蠍のように死んだふりの可能性もあるからな。問題がないのか剣鉈でヒュドラを捌き始めた。
「毒腺は、ないな。頭を吹き飛ばしたからそれに巻き込まれたのか、それとも魔法を使うのか、元々無いのか」
「鱗は、そこそこの硬さだな。むしろ皮が結構良い素材だ。結構伸縮するし、色々調べたいな」
「なら全部剥ぐぞ。それと肉はどの部分にする」
「えっと、胴体、でも内臓はちょっと怖いし、頭よりの方が良いんじゃないかな?」
「尻尾の方が良いかもしれない。毒腺を持ってるなら頭側のはず」
ヒュドラが死んで扉が開いているが、危険な気配はないということで先に解体を済ませる。この苦行もそろそろ終わりだと嬉しい。ヒュドラの解体を終え、扉の先に進む。無論、警戒は怠らない。扉の先はまるで別世界の、いや、50層にも似たような場所が出来てるが、グレードではこちらのほうが上だろう。コテージに畑、滝、何より擬似的なものだろうが太陽まである。
「ふむ、結構肥沃な土地だな。むしろ地上よりも良い。暮らすのに不自由はないな」
「いや、入って一番に気にするのが土の評価ってどうだよ」
「ユエの言う通り、反逆者の隠れ家だな。先のヒュドラが最終防衛ラインだ。ここは安全だ。だから儂は農作業をするのだ」
「いや、一応最低限の調査は手伝ってくれよ」
嫌そうな顔をしながらもしばらくは此処から動かないことを条件に渋々ながら小屋の中に入っていった。1時間
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