第五十三話 おさづけの理その二十二
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「ですから」
「それでなの」
「はい、宜しくお願いしますね」
「それは私の言葉よ」
そこまでしてもらって悪いです、そんなことを言っている間に商店街を出て今さっきまでいた神殿本部のところに出ました。
「悪いわね」
「悪くないです、先輩の為なら」
これまで以上に真剣に言ってきました。
「是非ですよ」
「そうなの」
「はい、後はです」
「後は?」
「大学に入られたら詰所におられるんですよね」
「そこに住ませてもらってね」
そうしてとです、私は阿波野君に答えました。
「そしてね」
「そうしてですね」
「大学にも通うわ」
「ううん、じゃああと四年はおぢばにおられますか」
阿波野君は妙に安心したみたいに言いました。
「知ってましたけれど頭に完全に入れました」
「完全になの」
「僕も天理大学合格して」
「おぢばに残るの?」
「そうしますね、それでまたです」
私に笑って言ってきました、夜の神殿本部の前を通りながら。
「先輩の後輩になります」
「やれやれね。つまり二年後また私阿波野君と顔を合わせるのね」
「二年後じゃないですよ」
「ひょっとして毎日詰所に来るとか?」
「色々と用事を見付けまして」
そうしてというのです。
「お邪魔しますね」
「それはいいわよ」
阿波野君に口を尖らせて言いました、ここで神殿本部の南の礼拝場の前を通ったので一旦二人で立ち止まってかんろだいの方にお辞儀をしました。
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