第91話 ペットは最期まで責任をもってお世話しましょう
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まっている。内心銀時は諦めていた。
こうなってしまったなのは(シュテル)を止める手立ては今の所ほぼ皆無だと言える。
彼女は姉的存在に当るなのはと違い豊富な知識と情報吸収能力を有しており、戦場に立てばさながら名軍師にでもなれるのではないだろうかと言える程知略に富んだ逸材でもあった。
が、そんななのは(シュテル)にも致命的な欠点がある。それは一度凝り始めると修正不可能なまでに脱線してしまう事と壊滅的なまでに空気を読まない事にある。
現に今現在も彼女の脱線しまくった思考のせいで本来の話の道筋が全く見えなくなってしまっていた。
「いや、えと・・・一体どうしたんだいなのはちゃん。何時ものなのはちゃんじゃないよね。君ちょっと変じゃない?」
「御託は良いのです。一刻も早くそのゴリラ菌とやらを発見し早期に撲滅しなければ人類はゴリラ菌に負けてしまいます。菌の繁殖速度は恐ろしいのです。舐めてはいけませんよ!」
「何だろう。今すっごい傷つけられた気がするんだけど。俺のガラス細工のハートをチェーンソー的な何かでガリガリ削られてるような気がするんだけど」
自分の胸を強く抑えて蹲ってしまった近藤。そんな近藤を心配そうに介抱しようとしたいのだがどうすれば良いのか困り果ててしまっているアリア。
そして、面倒臭さそうなので余り関わらない方が良いかな? と思い我関せずを決め込もうとしている銀時と神楽。
そんな中だった。突如として二匹の巨大ゴリラが起き上がりだしたのは。
「ウホウホホッホ!(いたた、急に何かが頭の上に落ちて来たぞ)」
「ウウッホウッホウッホ!(本当に痛かったわ。きっと瓦が落ちて来たのよ。あれ結構痛いし)」
相変わらず外見がまんまゴリラな為か会話もウホウホで済んでしまっている。
「わっ! でっかいゴリラアルなぁ」
「本当だなぁ。あれがお前の飼ってるペットって奴なのか?」
「そそ、そうだよ坂田君。あれが俺の家で飼ってるペットなんだよ。いやぁ大事に育ててたらあんなに大きくなっちゃってねぇ」
「ふぅん、それじゃもう一匹は?」
「え!? えぇっと・・・」
滝のように冷や汗を流す近藤。チラッチラッとアリアに視線を送る。その視線に気づいたアリアはハッとなり一歩前に出た。
「わ、私の飼ってるゴリラなんです。勲さんとは此処で一緒にゴリラ談義をしていただけなんですよ」
「へぇ、あんたみたいな別嬪さんがねぇ。世の中分かんねぇもんだなぁ」
そう言って繁々とアリアを見回していく銀時。結構視線が艶めかしいと言うかエロ親父のそれっぽかった。
「んでよぉ、お前ら今日会ったばっかなんだよな?」
「そ、そうだよ。俺とアリアさんは今日会ったばっかだよ」
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