第91話 ペットは最期まで責任をもってお世話しましょう
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れる訳ないだろうが!」
「やれやれ、少しは大人になったかと思ったが、相変わらず姉離れが出来ていないみたいだな」
「なにぃ!?」
苛立ちを隠そうともしない表情を見せる新八の目の前で、九兵衛は一瞬の内に目の前にまで距離を詰め、そのまま彼の胸倉を掴むと遠心力を利用して弧を描くように持ち上げた後に床へと叩きつけた。
「がっ!! はぁっ!!」
「反応が鈍いな。噂では異世界とやらに行って腕を上げたと聞いてきたが、とんだデマだったみたいだな。或いは、異世界の人間が相当弱かったか・・・だな」
「ぐっ!!」
新八は歯噛みした。
今の九兵衛の言葉は聞き逃す事が出来ない。先の言葉は前の戦いで共に戦い知り合った者達に対する侮辱にもとれる言葉だ。
それを聞いて許せる訳がなかった。
「と、取り消せ! 今の言葉を取り消せ!」
「事実を言って何が悪い。弱い奴は弱い。当然の事だろう?」
「な、何だと!?」
「悔しかったら掴みかかってきたらどうだ? 噛みついてきたらどうだ? それすらも出来ず惨めに吠える事しか出来ない君を見て、弱いと判断しない奴など居ない」
とても冷めた視線だ。氷の様に冷たく突き刺さるような冷徹な視線が新八に向けられていた。
その視線に、新八は動きを封じられてしまっていた。本来ならばそいつの言った通り掴みかかるか殴りかかるかすべきだっただろう。
だが、それをすべき筈の新八は氷のような視線を一身に受けたが為に抵抗するすべを奪われてしまっていた。
「う・・・ぐぅ・・・」
「それでも侍なのかい? 何とも情けない事だ。色恋沙汰にうつつを抜かしてないで少しは己を鍛える努力をすべきじゃないのかい?」
反論など出来る訳がなかった。彼が言う通りだったからだ。己を鍛える事を怠ったことも、自分自身が無力だったことも。
「さっきから聞いてれば、随分な言い草ね」
「え?」
反論出来ない新八に代わって、隣に居た彼女が口を開いてきた。
「この地の風習とかそんなのは私自身良く知らないけど、言い分としては弟君の方が正しいんじゃないの?」
「さっきも言っただろう。僕と妙ちゃんは夫婦の契りを結んだ仲だとーーー」
「それは正式な契りなの? それともただの口約束? もし口約束だとしたら、それは貴方の横暴になるんじゃないの?」
「・・・・・・」
彼女の言葉に今度は九兵衛が黙ってしまった。
「反論しないって事はただの口約束みたいね。だったら弟君の言い分が正しいって事を認める事になるけど」
「残念だが・・・その論議をするには一足遅かったみたいだな」
懐から一枚の書類を取り出し、それを二人に見せた。其処には【婚姻届】と書かれた
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