第91話 ペットは最期まで責任をもってお世話しましょう
[1/10]
[8]前話 前書き [1]次 最後
「し・・・新ちゃん!?」
「あ、姉・・・上・・・」
天井から降って来た新八の目線の先には新八の姉のお妙ともう一人、見知らぬ若い美男子風の男が其処に居たのに、新八は驚きを隠せなかった。
「あ、姉上・・・どうして・・・こんなとこに?」
「新ちゃんこそ・・・どうして・・・天井から降って来たの?」
「えっと・・・それについてはツッコミは入れないで欲しいんでスルーして下さい。そんな事より、其処に居る見知らぬ男は誰ですか!?」
「見知らぬとは酷いな。君が小さい頃に良く稽古に付き合ってやった事を忘れたのかい?」
美青年のその一言に新八は一瞬戸惑ってみせたが、すぐにはっとした顔でその青年を見た。
「貴方は・・・もしかして、九兵衛さん?」
「久し振りだな、新八君。暫く見ない内に・・・随分と大胆になったものだな」
「へ・・・大胆?」
言葉の意味が分かっていない新八に青年は顎をクイっと彼の下に向けて差す。
それを受けてそっと真下に視線を移すと、其処にはついさっきであったばかりの桜色の髪をした少女が丁度新八に押し倒される形で仰向けになって倒れていた。
「いや! あの・・・これは事故みたいなものであってその・・・」
「そうじゃない。僕が言ってるのは・・・君の手だ」
「僕の・・・手?・・・!!!」
今度は自身の右手に注目する。今現在、新八の右手は押し倒した少女の柔らかな胸を鷲掴みするような形で上に乗っかっている状況だった。
サーっと一気に青ざめていく新八。まるで油の切れた人形のようにカクカクと視線を自身の手から少女の顔にまで戻してみると、其処には恥ずかしさと胸を掴まれた事によって生じたのだろう、頬を真っ赤に染めてこちらを睨む少女の姿があった。
「うわぁぁ! ご、ごめんなさい! わざとじゃないんですわざとじゃ!」
「そうよね。まぁ、わざとだったら眉間を打ち抜いてたけどね」
「すっごく怖いんですけどこの子ぉぉぉ!」
先ほどまで青かった顔がさらに青くなる。冷や汗が滝のように流れ落ちていく感覚に一種の気持ち悪さを感じたが今はそれどころじゃない。
その後は、少女は無言のまま立ち上がり体に着いた汚れなどを軽く払い落としていた。
そんな二人の光景を見たからか、青年はフッと笑みを零して見せた。
「安心したよ。これならば君のお姉さんももう心配せずに済みそうだな」
「え、姉上が? それって一体どういうーーー」
「彼女は今日からこの僕、【柳生九兵衛】の妻として我が柳生家に嫁いで貰う。その相談を今していたところだったのさ」
彼の話はおよそ数刻前に遡る。
銀時達が屋根の上で修復作業を行っていた頃、お妙と九兵兵は今の部屋で
[8]前話 前書き [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ