純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 26
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、やや俯いて考え込み
「………………いや、まったく」
「私も、気にしてませんでした」
揃って「否」を返す。
『?? 当然じゃないか。神を害する生物など、ゴールデンドラゴンや人間や悪魔や魔に属する者以外には存在しない。それ以外の生物にとっての私達は、畏怖の対象であり、一舐めで失神する度数の酒だ。特に虫のような小さい生物なんぞ、小さければ小さいほど私達に近付くだけで軽く酔っ払い、直に触れれば泥酔状態、視認できる範囲内で翼を広げれば一瞬で絶頂後弛緩状態に陥るぞ』
「天然の虫除けかよ!?」
『お前もそうだろう、ロザリア。お前がお前を自覚したばかりの頃はともかく、力を意識して使い始めてからは殆ど気にならなかったんじゃないか?』
「マジか。そんなん、考えた記憶も無いけど」
「……そう言えば、東区の教会で共同生活を始めて以降、虫除けの薬はあまり使用していませんでしたね。私も特に気にしていなかったのですが、あれは半覚醒状態のロザリアが居たから、私とべゼドラがアリアの力に護られていたから、ですか」
「…………まずいな」
「え?」
クロスツェルさんの一言で、立ち上がったお父様の顔色が通常のものに戻った。
違う。
いつもより緊張してる?
「やはりそうでしたのね」
「まさか、孤児院にも影響が出ていたのか?」
「ええ。恐らく私が到着した時点では既に。今の所は誰も気付いていませんが、長く続くのであれば時間の問題でしょう」
「たった半日か其処らで、しかも翼が無いのに王都の外れまでとは。規模がデカすぎる。その分、特定は難しくなるが……」
「難しいだけで、不可能ではありません」
「人外ならではってヤツか。盲点だったな」
神妙な面持ちで頷き合うプリシラ様とお父様。クロスツェルさんとロザリア様、フィレスさんも何かに気付いたのか、僅かに眉を顰めた。
え、事情を呑み込めてないのは私だけ? それは立場上よろしくない。
えーと、えーと……虫除け、孤児院への影響、特定…… 特定?
あ、そうか!
虫達は神を中心に広範囲で酔っ払い、その範囲内では虫刺され被害が激減する。
裏を返せば、虫刺され被害と関連薬品の売り上げが不自然に激減した地域こそ、神の居場所を示す目印になりかねないのか!
「……ん? 虫刺されが無くなるって……酔っ払った虫達は餌とかどうす……」
「鈍い! だから、まずいんだよ」
神の力に酔った虫達は、神が其処に居る限り正気には戻れない。
正気に戻らない限り、虫達の活動力は低下したまま、まともな栄養摂取ができなくなる。
虫達に栄養が蓄えられないと、彼らを捕食する生物にも栄養が行き渡らなくなり、彼らの生態を利用する植物の繁殖にも影響が出て、結果的に自然界の食物連鎖と人間世
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