暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 26
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追い付けない速さでプリシラ様の足元に土下座した。
 お父様、それ、プリシラ様の前では絶対見せちゃいけない姿勢(よわみ)ーっ!
 アオイデーさんとお父様の間を行き来したプリシラ様の目は、案の定獲物を見定めた狩人のそれに色を変えていく。
 ……うん。
 見なかったことにしよう。
 ワタシハ、ナニモ、シリマセン。

 「あー……つまり、その鳥形の女神? が、何も無いと思ってた所にいきなり現れたんで、ミートリッテが驚いて奇声を発した……って事で良いのか?」
 「左様でございますわ、ロザリア様」
 「! お休み中に騒ぎ立ててしまい、申し訳もございません」
 「ん。りょーかい。そりゃ、何も無い所から突然鳥が出て来たら誰だってびっくりするわ。しゃあない。けど、結界は関係者しか入れない設定にしてある筈なのに、どうしてアンタは入り込めたんだ? 生粋の女神だから、人間混じりの私の力は通用しない、とか?」
 『此処の結界は、お前が認めた相手のみを受け入れる物だ。認めた相手と音を同調させれば、結界の仕掛けを欺く程度は容易いぞ』
 「……なんか、そう言われると欠陥があるみたいだな、結界(これ)
 『属性の相性の問題だ。気にするな。こんな芸当は、魂を形成する物質をも操れる言霊使いか、身体の形を自在に変えられる程度の強力な音使いか、あらゆる歪みを在るべき姿へと誘導するアーレストか、魔王レゾネクトにしかできん。空間を司るマリアにも不可能だ』
 「母さんにもできない?」
 『同等の厚みを持った別の結界をぶつけて境の一部を破壊する、が精一杯だと思うぞ』
 「ふぅん……相性ねぇ? そんなもんなのか」
 クロスツェルさんの腕は離さないまま、反対の手で自らの後頭部を掻くロザリア様。
 何気に、近寄るのは避けてるんですね。

 「ところで、アオイデー様に幾つかお尋ねしたいのですが、よろしいでしょうか」
 『なんだ?』
 ロザリア様との会話が途切れたと見て、プリシラ様がアオイデーさんに小首を傾げる。
 「アオイデー様は女神でいらっしゃるのですよね?」
 『そうだ。神代の頃からアリアシエルとアルスエルナを見守ってきた、(自称)守護女神だぞ』
 ……自称は認めるんだ……。
 「では、虫に刺された経験はおありですか?」
 「『は?』」
 指の上で首を縦に振るアオイデーさんに、プリシラ様は思い掛けない質問をした。
 土下座の姿勢を崩してなかったお父様も、顔を上げてきょとんと瞬く。
 「何故、虫刺され?」
 「必要な確認ですわ、ソレスタ神父。顔見知りの貴方方もどうでした? 女神としてのフィレス様や、姿を見せてくださっているアオイデー様と一緒に居る間、虫に刺された時の痛みや痒み等を感じていましたか?」
 真面目な表情を向けられたお父様とフィレスさんは
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