七話→玄人とエ・ランテルA
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『背中に大型の籠を担いだまま』山道を全速力で(玄人は歩いているつもり)走って息もきらせていない。
(え…………何この速さ)
玄人は知らない。
レベル100の『前衛』が、薬草を摘んだ場合、どんな不自然な事になるかを。
依頼された薬草クエストが長期間貼られているのは、ある程度の数と量が必要であり、かつ、自生している場所が広範囲にわたり、時間がかかるからであった。
だが、しかし、新人一人、つまり玄人が入った事でどのくらい短縮されたのか。
ばっさり言うと、玄人は『4人パーティーが4回受けたら』採取できる量を、一人で採取していた。
最初、依頼したギルドは思った。
現地で仲間と合流し、採取したと。
当時の監督役に確認したら、普通に一人でとっていたと言われた。
では、隠し持っていたある程度の量の薬草を嵩ましして入れて、渡したのか。
ギルドは首を捻る。
ギルドが把握していない場所で薬草を採取したのなら
、別にわざわざクエストで薬草を渡す意味がない。
当然、ギルドは自分達の縄張りで薬草採取をさせているので中抜き(不正なものではない)をしており、この量をそのままポーション屋などに持っていった方が金にはなる。
色々考えた結果、ギルドはこう、考えた。
『最近近隣がきな臭いし、そんな優秀なら飛び級して低級モンスター間引きできる位階までは上げていいんちゃう?』と。
この二日間、採取した薬草が余りに状態が良く、多量であるため、冒険者ギルド上層部が(戦争が近いという他の理由もあるものの)昇級試験を受けさせようとしていることは。
何故、『たかが』薬草採取でここまで厚遇されるのか。
例えばの話をしよう。
君が日本の花壇で『頼まれた花を摘んできてくれ』と言われたら、君は余程の事がないかぎり、それを無事に終えられるだろう。
だが、もし場所が『アフリカのサバンナ』で、同様の事を頼まれたらどうだろう
。
モンスターがそこら辺の草むらから何時飛び出してもおかしくない。
そんな場所で周囲を警戒しながら、採集活動をできる。
それは、もはや一種の『特技』と言っても過言ではないのである。
(盗賊よー、いねーのかよー)
そう考えた、その瞬間。
彼の『危機探知』は、送り迎えの馬車方向に、『危険』を捕らえた。
即座に、彼は薬草摘みを中止し、篭を担いだまま、超速で馬車まで戻った。
籠の薬草を溢さずに、凄まじい勢いで、歩きにくい山地の地面を走破していく玄人。
その距離が、現実世界でいう五キロ近く、馬車の目の前になったとき…………
『それ』は現れた。
屈強な男盗賊を率いた、ローブを羽織った二人の頭目。
(魔法力…………か。探査
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