第31話
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。」
「ゾ、ゾゾゾゾ、”ゾンビ”!?」
「ひ、非常識にも程があるぞ!?」
「フン、今までさんざんその”非常識な出来事”を自分達の身で体験してきたのだから、”ゾンビ等今更”だろうが。」
トワの疑問に答えたエマの答えを聞いたエリオットとマキアスは表情を青褪めさせて声を上げ、ユーシスは呆れた表情で指摘した。
「団長がゾンビ…………でも、ちなみにそっちは何で団長がゾンビだと断定できたの?」
「俺達メンフィル・クロスベル連合にもそうだが、エステル達やロイド達の仲間の中にも生者と死者の見分けがすぐにできるエルフ族の血を引く者や天使族の者達もいるからな。その者達が”猟兵王”を含めた襲撃してきた者達の何人かが”不死者”であると指摘した時、襲撃者達は反論するどころか、肯定した上、実際に猟兵王を含めた”不死者”達と戦った者達が神聖魔術をその者達に命中させると”猟兵王”達には通常の魔獣に攻撃するよりも随分と効いたとの話だから、猟兵王達は間違いなく”不死者”であると断定した。」
「”神聖魔術”とは一体…………?」
フィーの疑問に答えたヴァイスの説明を聞いたラウラは不思議そうな表情で首を傾げ
「”神聖魔術”とはこのゼムリア大陸にとって異世界であるディル=リフィーナに昔から存在する魔術の一種の事で、”神聖魔術”による攻撃魔術は不死者や幽霊に対して最も効果的にダメージを与える事から、不死者や幽霊にとって”弱点”となる光の魔術なのですわ。」
「なるほどね…………要するに”神聖魔術”は”破邪”の魔法の類なのね。」
「そういえば”不死者”はフィーちゃんのお父さんの他にもいたような口ぶりでしたが…………フィーちゃんのお父さん以外はどの勢力の人物が”不死者”だったのですか?」
マルギレッタの説明を聞いたセリーヌは納得した様子で呟き、エマは真剣な表情で訊ねた。
「それを答える前にお前達が最も気になっているであろう猟兵達を雇って”第二のハーメル”を作ろうとした”元凶”を答える必要がある。――――――とはいっても、お前達も薄々とその”元凶”がどこの組織に所属している者なのか察しがついているのではないか?」
「そ、それって…………」
「”怪盗B”が言っていた”第二のハーメル”を作ろうとした結社と関係していた”とある組織”…………そして碌な調査もせずにリベールに冤罪を押し付けたオズボーン宰相の行動を考えると、心当たりは一つしかないね。」
「ええ…………”黒の工房”が”アルスター襲撃”の”真犯人”でいいんですか?」
ヴァイスの指摘を聞いて心当たりがあるアリサは不安そうな表情で答えを濁し、重々しい様子を纏って呟いたアンゼリカの言葉に頷いたサラは表情を引き締めてヴァイス達に訊ねた。
「はい。首謀者は”黒の工房”の”長”である”黒のアルベリヒ”。そしてアルベリヒ以外に
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