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レーヴァティン
第百十五話 半島の後からその一

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               第百十五話  半島の後から
 英雄は自分があちらの世界で正室を迎えるまでの話を終えた、話を聞き終えた久志はその話をコーラを飲みつつ聞いていた。
 そして彼の話が終わったところでだ、サイダーを飲んでいる彼に言った。
「とりあえず聞くな」
「何だ」
「サイダー美味いか」
 まず聞いたのは彼が飲んでいるものについてだった。
「そっちは」
「美味い、お前も飲んだことがあるな」
「あるさ、ただ最近飲んでいなくてな」
「味を忘れていたか」
「ああ、それでな」
「今俺に聞いたか」
「そうか、美味いか」
 それならとだ、英雄はさらに言った。
「なら今度飲むな」
「そうしろ、俺が止める理由はない」
「それで俺が今飲んでいるコーラもな」
「美味いな」
「今度飲んでみろ」
 英雄に笑って話した。
「いいな」
「ああ、それじゃあな。しかしお前も遂にか」
 ここでだ、また言った久志だった。そして今度はこう言った。
「結婚したか」
「あちらの世界でな」
「そうしたんだな」
「女は好きだったが」
 それでもというのだ。
「正室はまだだったがな」
「その正室の人をか」
「遂に迎えた、これでだ」
「ああ、相手の人も見付けてか」
「俺も家庭を持った、それでだ」
 さらにと言うのだった。
「さらに動いていく」
「それは俺と同じだな」
「そうだな、では今度はな」
「俺も話をだな」
「聞かせてもらいたいが」
「ああ、わかったぜ」
 久志は英雄に笑って応えた。
「聞かせてもらうな」
「それじゃあ話すな」
「半島は統一したな」
 そこまでの話のことをだ、英雄は話した。
「そうだったな」
「そこまでは話したな」
「サルディニアやシチリアといった島々もな」
「そこまではな、人材も入れてな」
「順調と言えたな」
「ああ、けれど半島を統一してな」
 そこからはとだ、久志はここで難しい顔になって英雄に話した。
「そこからな」
「苦労したか」
「いや、考えてな」
「そうしてか」
「動いたな」
「そこからどうするか、か」
「結構道あったんだよ」
 戦略上のそれがとだ、久志は英雄に話した。
「半島を統一してからな」
「それからどう進むか、か」
「ああ、考えてな」
 そうしてだったというのだ。
「そのうえでな」
「ことを進めたか」
「確かに一つの勢力になったさ」
 半島、その地域を統一してだ。
「豊かな穀倉地帯と商業地域、水運も手に入れてな」
「強くなる土壌は手に入れたな」
「けれどそれで終わりじゃなくてな」
「むしろだな」
「そこからだったからな」
 だからだというのだ。
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