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ユア・ブラッド・マイン―鬼と煉獄のカタストロフ―
episode6『仲直り・後編』
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える《・・・・・・・・》んだ」

 それ!とピンと一本指を立てて言うシンに、はっと気づく。
 シンの言いたいことは、つまりそういう事なのだ。彼は『ヒナミもまた魔女として誰かと契約を結び、製鉄師になれ』と、そう言っている。彼ら製鉄師と同じ土俵に立って、彼らを追い返せと、そう言っているのだ。

「そ、そんな簡単に言わないで!私を守りに来てくれてた製鉄師の人たちだって一瞬でやられちゃったのに、私がそんな即興で製鉄師になったところで……」

「それでも、ただ無防備のままでいるよりはずっといい。例え敵わなくたって、一人でも……いや、ペアになるから、二人でも逃げ切れるぐらいの力は身に着けておくべきだと、僕は思う。それに、君だって自分が狙われた理由ぐらい分かってるだろう?」

「……。」

 魔女としての才覚、それも歴史上を探してもそうそう見つからないレベルの怪物級の才。それは確かに海外の製鉄師からも狙われるほどの厄介な種であるが、それは同時にそれだけの力を秘めた素質だという事。
 つまりその力を彼女が自分の意志で逃げ延びるために戦う力へと繋げる事が出来れば、類を見ないほどの超常の力へと昇華させる可能性がある、という事だ。

 無論、それはヒナミが優れているだけでは駄目だ。彼女の天才性に引けを取らない程の契約者を見つけなければ、逃げ切れる可能性は低くなる。

 ヒナミも、それは分かっていた。

「……じゃあ、あなたが、契約してくれるの?」

「――。」

 シンの腕にはめられた腕輪は、銀の腕輪。未だ契約を済ませてはいない、OI能力者であるという事を表す印。それに、シスターから聞いた話では、シンは重度の歪む世界(OW)を抱えていると聞く。
 その内容までは聞かなかったが、もしそれが本当ならシンとの契約は双方にとってもメリットがある。

 OWはイメージ力が高ければ高いほど、当人の世界を侵食する。暴走したイメージが世界を塗り替えて本人を蝕むのが歪む世界だ、それが深刻だという事はイコール、彼のイメージ力は常人のソレとはかけ離れていることを意味する。

 契約をすれば彼は空想の世界から解放され、ヒナミは逃げ切るための力を手にする。ならば――。

「だめだ」

「……え?」

 返答は、あまりにもハッキリとした“NO”の拒絶だった。

「それだけはダメだ、僕と契約するなんて考えは、頭から排除しておいてほしい」

「……どうして?あなただって、歪む世界(オーバーワールド)から解放されるかもしれない。成功するかしないかの事なら、試してみなきゃ……」

 不意に、ペチ、という控えめな音とともにヒナミの頬が挟まれる。
 歳に見合わず大きなその手はヒナミの顔をすっぽりと覆いつくすほど大きくて、ごつごつとしてい
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