暁 〜小説投稿サイト〜
ユア・ブラッド・マイン―鬼と煉獄のカタストロフ―
episode6『仲直り・後編』
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「ごめん」

「ごめん」

 まるで壊れたおもちゃのように。バグを起こしたレコーダーのように、その三文字を繰り返す。殺し、殺し、殺し、殺し、殺し続ける。しかし贖罪などしない、それは僕がする事ではない、ただなんとなく悪いと思ったからそう口にしただけ。
 そうだ、僕は悪だ。悪だからここにいる、要らないものだからここにいる。この地獄の奥底で、ずっとそれを守り続けている。それはどうしたって仕方のないことで、今更何の文句もない。

 仕方ない。

 仕方ないから、殺す。

 仕方ないんだ、この身を壊す、目の前の“ソレ(魔女)”と全く同じ傷も。

 仕方ない。仕方ないったら、仕方ない。

 そうだ。全部、全部、何もかも。



 ――仕方がなかったんだ。






 ――――――――――――――――――――






「……そん、な」

「――。」

 包み隠さず、全てを打ち明けた。
 ヒナミがこの教会を訪れる少し前に、ヒナミを追う製鉄師達がここを訪れていたこと。彼らからヒナミの名前も顔も聞いており、それでシンはヒナミの事が分かったのだという事。
 そして必然的に、彼らはヒナミの逃亡先であるこの近辺に凡その目星は付いていたのだろう、という事。

 彼女にとっては酷な宣言だ、というのは分かっていた。彼女の為にも秘密にしておいた方が幸せに暮らせただろう、きっと何も知らないでいたかっただろう。

 けれどダメだ。それはダメだ。

 冷静になって考えてみれば当然なのだ。この近辺にはヒナミがこの近辺にいると知っている製鉄師が居る、そしてヒナミは彼らが居ることを知らない。
 現実的に考えて無理なのだ、超常の力を持つ彼ら製鉄師――それも、確実に個人ではない。すでに契約を済ませ製鉄師と成った彼らがヒナミという魔女を個人として求める意味がない。それはつまり、彼らは何かしらの仕事でヒナミを奪おうとしている、という事に他ならない。
 それはイコール、彼らのほかにもヒナミを狙っている者が確実に存在する、という事だ。彼ら二人組にさえ見つからなければ、なんて甘い希望は抱くだけ無駄と言える。

 ヒナミの事を隠蔽するならば、徹底的に。外部に悟られてはならない、存在を知られてはならない、偽名を……いいや、ここに新たな入居者が来たと言うその事実すら、安全を考慮するなら秘するべきなのだ。

「……なんで。なんで、わたしばっかり、こんな」

 小さく、そんな声が耳に届く。
 そう、魔女は確かに人口全てから見れば本当に少数で、あまり外に出ないシンなんかではここ数年直接見たこともないほどだ。けれどそれはあくまで人口全てと比較して、という前提の話。

 世界中を見れば、そう魔女など珍しい存
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