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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
ANSUR X其は苛烈なる疾風の化身なる者〜Fjortseng〜
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し上げましょう! わたくしの新たな真技を!」

『新たな・・・』

「真技、だと・・・!?」

俺の知るフィヨルツェンの真技は、何万発の爆撃という広域殲滅術式だ。それとはまた別となると想像も付かない。

「アイリ。こちらも決めに掛かるぞ。創世結界の準備だ」

『ヤヴォール! マイスターの魔力炉(システム)への負荷を最小限になるよう深層同調開始!』

ステアの創世結界を発動するべく準備を始めようとした時、それは起こった。“スタウロス”に貫かれたままの偽フィヨルツェン4機から爆発的な魔力が膨れ上がり、思わずそちらに目をやった。

「真技。創世結界・天覆う風靡の蓋・地茂る吸血の森(ルーイナス・ブラッディフォレスト)

耳を疑った、目を疑った。フィヨルツェンが上空から地面へ向かって射た長い魔力矢が着弾とすると同時、偽フィヨルツェン達が魔力に分解されて、ソレら全てが地面を覆い、ドーム状に爆ぜた。その速度に逃げることも出来ずに飲まれた俺が次に目が開けた時、そこはもう異世界だった。

『森・・・!? ていうか、なんか森全体が血管みたいで気持ち悪い・・・!』

縦横無尽にそびえたつ木々はすべて数kmの高さを誇り、天辺が見えない。胴回りも100m以上あり、水分通導の役割を持つ道管が幹の表面にまで光って浮かび上がり、ドクドクと上に下にと何かを流している。

「む・・・?」

『マイスター?』

この創世結界に入ってからというもの、魔力が少しずつ消費しているのに気付いた。

「気付きましたか? この結界の効果の1つに、結界内に居る生命の魔力や生命力を吸収する、というものがあります。さらに言えば・・・」

『マイスター! 枝とかツタが伸びてきた!』

アイリの言うように木々の枝やツタが、俺を捕らえようと勢いよく伸びてきた。ただでさえ居るだけで魔力を吸収されているんだ。捕まったら根こそぎ一気に吸収されるだろう。

炎熱最強術式(スルト)で消し飛ばしてやりたいが、PT事件の際にテスタメントの姿で使っているんだよな・・・)

そこから俺とテスタメントが同一人物だと気付かれてはこれまでの苦労が水の泡。ならさっき考えたとおり「アイツの術式を使うだけだ」と、俺は“エヴェストルム”の柄に埋め込まれている魔石に魔力を流す。

「我が手に携えしは友が誇りし至高の幻想」

数倍となって戻ってきた魔力を即使用。“アンスール”メンバーの魔術や神器などを行使するための呪文の詠唱を終え、三つ又の穂を有する黄金の槍、「劫火顕槍シンマラ!」を“神々の宝庫ブレイザブリク”から取り出した。

「さぁ行きますよ!」

フィヨルツェンが遥か上空へ向けて何十本という風矢を射た。真技発動の前準備に違いない。

――|熱波震断
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