暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
ANSUR X其は苛烈なる疾風の化身なる者〜Fjortseng〜
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の1機からはあの杭による攻撃。タイミングがバッチリ過ぎて思わず「チッ!」舌打ち。回避も防御も手遅れな直撃コースということもあり、咄嗟に動いていた右の篭手で弾き逸らそうとしたんだが・・・。

「づっ!? っぐぅぅ・・・!」

『マイスター!? 痛覚遮断! コード・エイルをスタンバイ!』

杭は篭手を貫通し、俺の右前腕を貫いた。魔術として展開している篭手を貫ける物など1つしかない。やはりこの杭は「神器・・・!」ということになる。が、神器王としての俺の知識には存在しない。

――粉砕せし風爆(マーシレス・フラワー)――

「とりあえず身を隠すぞ!」

『ヤヴォール!』

アイリのおかげで痛みは無いが、治療するにはまず抜かなければならない。そのための時間が要る。俺へと射られた矢は、俺の周囲に展開されたアースガルド魔法陣に着弾し、俺を包囲するように爆風を発生させた。

「ぐあああああああ!」『きゃううううう!』

まるで重力の如き風圧で全身を押し潰されそうになるが、「装甲解除(パージ)!」フィムブルチュールの装甲を外方向へと向けて炸裂させて解除。それで暴風の檻を無理やり吹き飛ばし、地上まで一気に降下。

――連翔せし荒鷲(チェインズ・ガスト)――

――スタウロス――

空から降り注いでくる何十本という風矢と数本の杭。着弾時に暴風として炸裂する風矢に煽られ、杭は掠め、それでも俺は何とか逃げ切ることに成功した。今なお右前腕を貫いている杭の処置のため、廃屋に身を隠す。

「くそっ。いったい何なんだ、この杭は・・・!」

杭に触れて、複製スキルを以ってその正体を探る。そして「おいおい、嘘だろ・・・!」杭がどういった物かが判った俺は、自身の複製スキルに疑いを持つほど驚愕した。

『マイスター?』

「スタウロス。・・・コイツは、スマウグ竜の爪を加工した物だ」

『・・・え、スマウグ!? リンドヴルム首領だったあの・・・!』

魔界最下層にてあらゆる宝物を抱く火炎竜スマウグ。その圧倒的な神秘と力強さに、奴を倒すべく集まった俺たちは敗れた。結果、リアンシェルトが単独で斃すという光景を見ることになってしまった。

「道理で俺の魔術を貫通するわけだ。加工品とはいえスマウグの爪、神秘では圧倒的に上だ」

死に難い体とはいえ心臓や脳を穿たれるとさすがにまずい。ったく、こんな兵装を用意してくるなんて卑怯すぎる。とにかく今は治療だ。連結させた“エヴェストルム”を床に突き立て、空いた左手で杭を握り締め、「すぅ・・・はぁ・・・すぅ、ふっ!」深呼吸のあとに一気に引き抜く。痛覚遮断のおかげで痛みは無いが、刺さった異物を抜く感触はあるため、妙な気持ち悪さが生まれる。

「『女神の祝福(コード・エイル)』」


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