暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
ANSUR X其は苛烈なる疾風の化身なる者〜Fjortseng〜
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るのは、ドリル状の風矢8本。それは別にいいとして『あんな場所から!?』と驚くアイリの言うように、先ほどまでフィヨルツェンが居た場所とはおよそ1kmと離れた側防塔からの狙撃だった。

『フィヨルツェンって、あんなに早く移動できる魔術とか技とかあるの?』

『・・・フィヨルツェンを始めとした風嵐系機体は、シュヴァリエルを除いて高機動タイプばかりだが、あの距離を瞬時に移動できるような術は持っていなかった』

フィヨルツェンもまた独自の進化をしていると考えた方がいいな。

「とにかく、フィヨルツェン相手には接近戦を挑むのが1番だ。回避に全力を注ぎつつ突っ込むぞ」

宙を蹴り、数ある聖騎殿を囲っている城壁の要所に建てられている側防塔、その天辺に立つフィヨルツェンへと突撃する。

――連翔せし荒鷲(チェインズ・ガスト)――

そんな俺を迎撃するべく放たれてきた風矢。バレルロールで躱して視認できた矢は、鎖のように何十本と連なっていた。ここで回避したことが正解だと判る。防御していたら2本目からの連続追撃を許していたからな。

――瞬神の風矢(ソニック・エア)――

さらに超高速の矢が矢継ぎ早に射られてきたが紙一重で回避。目の前にまで側防塔が近付いたところで、攻撃がピタリと止んだ。と思った直後に、頭上から迫る風切り音が微かに聞こえた。

――スタウロス――

「っく・・・!」

頭上から飛来したのは風矢ではなく、白銀に輝く「杭・・・!?」のような物・・・に見えた。目で追おうにもアイリから『マイスター、次来る!』という警告に、俺はその場から離れることに注力する。

――スタウロス――

白銀の杭からは魔力を感じないが、それを別として神秘を感じる。何かしらの神器かもしれないと判断し、防御や迎撃ではなく回避を最優先することにした。

「ええい、鬱陶しい!」

――舞い降るは汝の煌閃(コード・マカティエル)――

乱れ撃ちされてくる杭を回避しつつ、上空のフィヨルツェンへ向けて「ジャッジメント!」の号令の下、2千本の光槍を射出する。光槍はあの子に着弾しなかったようで、魔力爆発が起きることなく空を覆う雲を穿ち、無数の穴を空けた。

『空、やっぱり汚いままだね。禁忌兵器の影響で・・・。ん? ちょっ、マイスター! なんかヤバイ!』

「ん?・・・んな!?」

目を疑った。上空に居るはずのフィヨルツェンだが、先ほどの側防塔や、至る所で朽ちている聖騎殿の屋根にあの子が居た。その数4機。上空のと合わせると5機だ。

『え、なに!? 分身の術!?』

――瞬神の風矢(ソニック・エア)――

「くそ!!」

4方向からの超高速風矢。しかも乱れ撃ちということもあって、忙しなく回避行動に入った直後、最後
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