EX回:第78話(改1.5)<見舞いと顔合わせ>
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参りました!」
この子も相変わらずである。
「ご苦労」
私も軽く敬礼をした。
気が付くと室内に艦娘の同一艦が二人・二組揃っている状況になった。
(理屈は分かっていても調子が狂うな)
目眩を起こしそうだ。
窓際でニタニタしながら見ていたブルネイ司令は、軽く咳払いをすると私に目配せをしながら言った。
「では我々は、これで失礼するよ。比叡も、あまり長居しないように」
「はい!」
彼女は改めて敬礼をした。ブルネイ司令に促されるようにして私たちは退出する。
衛生棟の廊下に出ると彼は言った。
「今夜、21:00から本館会議室で明日の打ち合わせだ」
その言葉に私もハッとした。
「あ……そうか。着替えないと」
だがブルネイ司令は笑いながら言った。
「別に良いよ、そのままで。簡単な打ち合わせだから」
「済まないな」
そんな会話を交しながら私たちは建物の出口へと向かう。
私は今日の出来事を思い出しながら言った。
「あの龍田さん、ほとんど丸腰で身を挺して渡河部隊を防御したんだが……ま、元気そうで良かった」
「そう……だな」
ブルネイ司令は半分、上の空な表情で生返事をした。
(何か別のことを考えていたのか?)
私は別に気にも留めなかった。
やがて21:00少し前になった。
会議室にはブルネイ司令と私、そして美保の部隊班長の金剛と日向、本省の技術参謀が参加していた。
時計を見てからブルネイ司令が、ゆっくりと立ち上がって話しを始めた。
「今夜集まってもらったのは明日の演習の打ち合わせのためです。ご存知のように技術参謀がお持ち下さったレシピにより当研究所での艦娘の量産化も、ようやく目処が立ちました」
その場で軽く「おぉ」という全体の反応と共に拍手が湧いた。金剛と日向も顔を見合わせて微笑んでいた。
(へえ、そこまで進んだのか……)
私も肩の荷が軽くなった心地になった。
(ただ、それが艦娘たちにとって果たして良いことなのか?)
今の私にも、よく分からない。
そんな想いをよそにブルネイ司令は続けた。
「明日の対戦相手も準備完了してます。そこで今夜は美保艦娘の班長も同席しているので、新しい艦娘との顔合わせを行いましょう」
『えっ!』
急な話だ。私だけではなく、その場の全員……金剛と日向も同時に驚いていた。
「マジですか?」
これは金剛。声がでかい。
(……そういえば、ブルネイの技師が居ないな)
その新しい艦娘を、彼が一緒に連れて来るのだろうか?
(トントン)
誰かが会議室のドアをノックした。ブルネイ司令はドアに向かって声を掛ける。
「いいぞ、入れ」
(ガチャ……)
そこに入ってきたのはブル
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