暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第7章:神界大戦
閑話17「絶望の淵で」
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〈“Zerst?rung(ツェアシュテールング)”〉

 転移で他の偽物から逃げつつ、“瞳”を二つ、掌に収める。
 そして握り潰し、先程の偽物を倒しきる。
 “瞳”はそれぞれ頭と心臓を対象にしていた。
 ここまで複数となると狙いが甘くなるが、一人に絞れば十分狙える。

「(どうする!?偽物の対処は問題ない。でも、物理も反射する相手を、どうやって倒せばいいの!?)」

 この場において、一番の問題はそれだ。
 全ての攻撃を反射する相手を、どうやって倒せばいいのか。
 あらゆる攻撃を反射するなら、それはもはや無敵ではないのか。

「(……そんなはずない。問答無用で攻撃を反射出来るのなら、この神界でも無敵に近い。……それなら、邪神イリスに洗脳される事もないはず……!)」

 全て反射できるのなら、洗脳すら反射ないし弾けるはずなんだ。
 なのに、こうして邪神イリスの配下になっていると言う事は、何か“穴”が、弱点とも言えるものがあるはず。

「ッ……!」

 偽物に包囲される。躱すのは不可能と判断。
 すぐさま斬りかかって来た一体の攻撃を躱しつつ、すれ違いざまに一閃。
 包囲を抜けた所を、別個体が襲って来た。

「ぐっ……!」

 躱せないし、シャルを振り切った隙がある。
 咄嗟に片腕に強化を集中させ、斬られずに防ぐ。
 でも、勢いに吹き飛ばされてしまう。

「こ、のっ!!」

 吹き飛ばされながら体勢を立て直し、追撃に対して一閃を放つ。
 追撃は阻止され、すぐに間合いを取った。

「はぁっ!!」

 やる事は変わらない。
 偽物達の攻撃を凌ぎつつ、本体の神を倒す。
 神本人も強力な攻撃を仕掛けてくるけど、肉薄は可能だ。
 後は、反射の弱点を見つけるだけ……!

「あははははは!!」

「そー、れっ!!」

「っ……!」

 戦闘中ずっとだが、偽物達の笑い声が響いている。
 狂気に満ちた偽物達は、何がおかしいのかずっと笑っている。
 ……いや、狂ってた当時の私も笑っていたけどさ。

「うるっさい!!」

〈“Zerst?rung(ツェアシュテールング)”〉

 さすがにうるさい。
 笑い声をかき消すように、大爆発を起こす。
 辺りが爆風に包まれる。

「(あそこ……!)」

 爆風の一部が反射されたのを、魔力で感じ取る。

「ッ!」

〈“Alter Ego・Sch?pfung(アルターエゴ・シェプフング)”〉

 即座に術式を構築。
 戦闘中も並行して構築していた甲斐もあって、すぐに術式は完成した。
 そのまま四体の分身を出し、それらを転移させる。
 転移先はもちろん本体である神の近くだ。

「ッ、はっ!」


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