第7章:神界大戦
閑話17「絶望の淵で」
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は数」
「……ここから、反撃させてもらうわ……!」
元々、単騎で戦う必要はなかった。
こちらも数を増やして対抗すればいい。
幸いにも、分身一人一人にも“私”としての自我はある。
鼠算式に戦力を増やせば、十分に対抗できる……!
=緋雪side=
「ぐ、ぅあっ!?」
私の二倍分の力で、振るったシャルが押し切られる。
……当然だ。相手は、偽物とはいえ私二人分なのだから。
「(身体能力はまるっきり同じ。違う所といえば、理性が狂気に振り切れているのと……後は、利き手とかが反対な所かな)」
ここまで戦って、大体が分かった。
身体能力、耐久力、その他諸々はほとんど私と同じだ。
鏡に映した私をそのままコピーして複製したのだから、当然といえば当然だけど……。
「(弱点も同じなんてね……!)」
不幸中の幸いか、この偽物たちはちゃんと“殺せば”倒せる。
神や“天使”と違って、心を挫く必要はない。
でも、私を殺すには、普通の人間より手間がかかる。
性質としては吸血鬼が近いのだけど、頭と心臓を潰さないといけない。
一度お兄ちゃんに殺された時は、生物兵器として弱っていたから、首を切り飛ばすだけで済んだけど、幽世で鍛えてからは確実に両方を潰さないといけなくなった。
「っ……!」
―――“Zerst?rung”
振るわれたいくつもの大剣を跳んで避け、複数の“瞳”を握り潰す。
……心臓と頭はどちらも捉えられなかった。でも、これで怯みはする。
「ふっ!」
爆発の煙幕の中を突貫。偽物の内一体の心臓を手刀で貫く。
そのまま貫いた体を振り回し、反撃を受ける前に蹴り飛ばす。
その体は、別の偽物の攻撃によって切り裂かれた。
「(理性がなく、相手が複数なおかげで、上手く行ってる。これなら……!)」
理性の有無によって、その分技術の差が出てくる。
つまり、一見コピーした私の偽物でも、実際には私本人には劣る。
一対一なら確実に勝てるぐらいには、差があるんだ。
「(本体は……!)」
迫りくるいくつもの偽物の攻撃を避ける。
避けて、偽物の一体を盾にして、砲撃魔法で一掃する。
倒しきれていなかろうと、ずっと構っていても仕方がない。
先に偽物を生み出した神を倒さないと、いつまでもこの戦いは続く。
「(私と同じ姿をしていた事から、多分“性質”は鏡に関すると思うけど……)」
“破壊の瞳”で狙われる。
すかさず、狙っている偽物との間に、別の偽物を挟む。
間一髪。その偽物が代わりに爆発した。
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