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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第7章:神界大戦
閑話17「絶望の淵で」
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「復活したんじゃなくて、もう一体存在した……?」

 そうだ。あのアンラ・マンユも、邪神イリスが生み出した。
 彼女はアンラ・マンユを“簡単に複製できる”と言いきった。
 ……それなのに、なんで私は一体だけだと信じていたの?

「……最悪、これだけで終わらないのかもね」

 複製。つまりコピー。それが二体だけに収まるとは限らない。
 もしかしたら、まだまだいるかもしれない。
 それらを、私は倒し続けないといけないのだ。

「……やるよ、シュライン。ここで負ける訳にはいかない」

〈……はい……!〉

 諦められない。ここで諦めたら、何のために優輝君を逃がしたの?
 諦めなければ、“負け”はないんだから、私はここで倒れる訳にはいかない!















       =奏side=





「くっ……!」

〈“Delay(ディレイ)”〉

 避ける。駆ける。躱し、反撃を放つ。
 周囲に味方はゼロ。司さんと緋雪は遠く離れてしまった。
 敵である“天使”の数は軽く百人を超える。
 それに加え、神も援軍として数十人はいた。
 合計すれば千に届くかもしれないわね。
 立ち止まれば、たちまち身動きが取れなくなるでしょう。

「ッ!」

 光の槍や剣が四方八方から襲い掛かる。
 私が地面と認識している場所から生えてくる事もある。
 地面という概念もなく、認識が曖昧な神界だと、障害物などないのと同じなのね。

「ぐっ!?」

 攻撃を躱し続けていると、急に身動きが取れなくなる。
 神の誰かが能力を行使したのでしょう。

「(ガード、スキル……!)」

〈“Syncopation(シンコペーション)”〉

 神の能力は複雑に見えて単純な部分があるのを、ここまでの戦いで理解した。
 この抑えつける力も、単に抑えつける概念をぶつけているだけに過ぎない。
 しかし、重力魔法ならいざ知らず、これだと転移魔法では逃げられない。
 そのための、“位相ずらし”。
 私という存在そのものを、空間や座標から“ずらす”。
 効果は全く長持ちしないとはいえ、これで一時的に神の力から抜け出せる。

「(神界でなら、長持ちさせる事は可能。でも、そうすると()()()()())」

 身動きできない状況から脱し、移動魔法でその場から大きく離れる。
 そう。空間や座標をずらした所で、神達はそれにすら対応してくる。
 だから長時間使っても意味はない。
 ……裏を返せば、短時間ならこうして有効な手になる。

「ふっ!ッ!」

〈“Delay(ディレイ)”〉

 至近距離から繰り出された光の刃
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