暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第7章:神界大戦
閑話17「絶望の淵で」
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た。
 優輝君すら負担を掛けずに使えなかったのも良く分かる。
 ……だからこそ、一つの術式にだけに集中力を割く。

「祈祷顕現、霊魔祈祓(れいまきふつ)!」

〈“闇祓いし天巫女の祈り(プリエール・エグゾルシズム)”〉

 重なり合った二つの陣が輝く。
 光が溢れ、それが大きな極光となってアンラ・マンユを撃ち貫いた。
 障壁で防ごうとしたみたいだけど、容易くそれも貫いていた。

「……倒した、かな?」

 苦戦はしていた。
 途中までは千日手のように思える程、砲撃と瘴気の触手の応酬が続いていたから。
 でも、“負”のエネルギーを集めた存在とは言え、そこに自我は存在しない。
 なら、“意志”によって限界を超えられる私の方が有利だ。
 その事に気付いてからは、こうして常に優勢に立って戦えた。

「……よし」

 闇は消え去っていた。間違いなく先程の極光で消滅出来たようだ。

「本当に、以前より強くなってた……」

〈見立てによりますと、以前の戦いより遥かに強いですね。それでも、マスターの遠い先祖が戦った時には劣りますが〉

「……その時の天巫女って、凄い強かったんだね……」

 今のアンラ・マンユよりも強いのを、たった一人で倒した当時の天巫女……。
 私も強くなったと思っていたけど、さらにその上を行くんだね……。

〈はい。ただ、当時はほぼ相討ちでしたが〉

「それでも倒した事には間違いないよ」

 私の場合は、神界の法則がなければ千日手だったんだから。

「(とりあえず、奏ちゃんか緋雪ちゃんを助けに……)」

 こちらの戦いは終わった。
 休む暇はないため、すぐにでも二人を助けにいこうとする。

「ッ……!」

   ―――“Barri?re(バリエラ)

 その瞬間、悪寒が私を襲った。
 咄嗟に控えておいた魔法を展開。障壁を張る。

「嘘……!?」

 信じられなかった。
 不意打ちとして飛んできた攻撃は防げた。それは問題ない。
 でも、その攻撃と放った存在が信じられなかったのだ。

「なんで?今、倒したはず……!?」

〈確かに反応は消えていました!……突如出現したとしか思えません!〉

 そこには、倒したはずのアンラ・マンユが佇んでいた。
 距離はある。だけど、そんなのは関係ない。
 今、確かに倒したのだ。“闇”の気配は消えていた。なのに、復活した。

「あそこまでやって復活……もう一回相手をする事になるなんて……!」

 そこまで言って、ふと引っかかった。
 “もう一回”、その言葉が気になった。
 そもそも、さっきのアンラ・マンユはどうやって現れた?

「……いや、まさか……?」

〈マスター?〉


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