黒星団-ブラックスターズ-part4/初邂逅!
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そ!」
サイトは避けるしかなかった。いくら魔法吸収能力があるデルフでも、魔法で作られたものであっても鉄の銃を溶かす粘液を吸収できないらしく、何よりサイトにあの粘液が浴びせられる危険がある以上、避けるしかなかった。
「今のうちに…きゃ!」
サイトが自分の放った粘液を避けたところで、ローブの女はこの場を切り抜けようとするも、ドバン!という轟音と共に彼女の足元の地面が抉られる。シュウがブラストショットの波動弾で撃ち抜いたのだ。
驚いたローブの女は盛大に転んだ。立ち上がって再度逃走を図ろうとしたものの、そんな隙をこの大人数で構えているサイトたちが見逃すはずもない。彼女が立とうとしたところでアニエスが彼女の背に乗り後ろから両手首を引っ掴んで捕える。
「は、放して!痛!」
「放すわけなかろう!トリスタニアを荒らす不届き者め!」
抵抗する銀髪の少女だが、当然トリステインに害をなした彼女をアニエスは見逃したりしない。同じく、ローブの女を逃すまいとスカロンたちもサイトたちと一緒になってその周囲を囲む。
ローブの女がアニエスに抵抗し?いてる拍子に彼女の頭を包んでいたローブが露わになる。
その女は、サイトやシエスタとほぼ同年代と見受けられる銀髪と褐色肌の若い少女だった。ローブの下に、両腕よりもさらに数十サント(センチ)は長いであろう、手を覆い隠すほどの長袖のセーターを着こんでいる。
「こいつが例のフーケか?最近また騒ぎを起こしてるっていう…」
「へぇ、誰かと思ったら、こんな小娘だったとはね」
サイトたちは、フーケの名を騙ったであろうその少女を見て目を丸くした。悪事を働くように見えない、こんな年若い少女が偽フーケであるという事実に戸惑っている。本物のフーケであるマチルダもだが、テファも同じ反応だ。別にフーケの偽名に未練も愛着もないのだが、マチルダとしては一体どこのバカが人の偽名を好き勝手に利用しているのか、もしそんな奴がいたら口に二つ名の通りの土くれを御馳走してやろうかと思ったくらいだ。それがどうだ、その偽フーケの正体がこんな年若く、無邪気と言うか天真爛漫そうな…いや、見た目とは裏腹に結構な悪なのかもしれない。本当の悪党はワルドのように、表向き紳士的に振る舞い、こちら側が油断してる間や自身が追い詰められた時に本性を表すものだ。
だが、一番戸惑いを見せてたのはスカロンたち魅惑の妖精亭スタッフであった。
「あなた…『シルバ』じゃない!」
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