黒星団-ブラックスターズ-part4/初邂逅!
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リと笑ってくる。対するシエスタだが、アニエスを警戒し、威嚇のつもりで鋭い目で睨んでいる。アニエスもスタイルの良い女性だから、またサイトに新たな女がくっついてこないよう牽制しているのだろう。
笑っていたアニエスだが、その目にシュウやリシュの姿も映すと、彼女の脳裏にメンヌヴィルによる魔法学院襲撃事件の記憶が過った。
「…コルベールはどうしてる?」
「あの人も同じですよ。ルイズたちを相手に以前通り先生やってます」
「そうか…」
コルベール。彼女にとって絶対に忘れられない存在となった、魔法学院の教師。国の汚れ仕事を引き受ける秘密部隊の元隊長であり、その任で何の咎もないアニエスの故郷を滅ぼしてしまった人物。彼の名を口にした時のアニエスの声は、妙に落ち着いていた。メンヌヴィルによる魔法学院立てこもり事件の現場にいたシュウには、それが逆に異様な印象を受けた。
サイトも、自分が不在の際に起きたその事件のことは既に聞き及んでいた。あの温厚で、異世界人…もといこの世界では平民扱いの自分にも良くしてくれているコルベールが、アニエスの故郷の仇であることも。
「アニエスさん。まだ、先生のこと…」
当然、あのコルベールからは想像もつかない過去だ。あのコルベールが、リッシュモンたち国の腐った上層部に騙される形になったとはいえ、無実の村を滅ぼし、村人たちを虐殺したなんて、耳を幾度も疑ったものだ。
「まぁな。何せ幼き日から仇を殺すと誓って20年以上生きてきた。今でもあの男を殺してやりたいと思っていることに嘘はない」
やはりそうかと、サイトも認めたくはないが納得するしかなかった。自分も、同じ経験があったからだ。かつて、復讐の鬼であった当時のウルトラマンヒカリ=ハンターナイト・ツルギの放った光線によって、実の両親が勤務していた街諸共二人を殺されたのだから。
「だが…もし奴を殺せば、かつての私と同じ憎しみを学院の生徒やお前が背負うことになる。そう教えられてな。どこぞのお節介焼きにな」
そう言ったアニエスの視線は、サイトからその後ろに立つ男…シュウに向けられた。それに気づいたテファもシュウに目を移すが、二人の視線にシュウは何も言わない。
「っと、勤務中に無駄話をした。済まないな、お前も自分の事情があるというのに」
「それはいいんですけどアニエスさん、何があったんですか?」
話を切り上げたアニエスに、サイトは今彼女が何をしているのかを尋ねる。見たところ銃士隊としての任務中ということはなんとなくわかるが、銃士隊だけでなくそれ以外の国の兵たちもあちこちに見かけられ、どうもいつぞやの王都での狐狩りを思わせる様子だ。
「お前たちは見ていないか?黒いローブに身を包んだ女だ。年齢は私に近い若い女らしいのだが」
サイトだけでなく、後ろのシュウたちにもアニエスは尋ねるが、つい先ほど来
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