黒星団-ブラックスターズ-part4/初邂逅!
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た目は黒く染まった水だな」
「黒!?それ、飲めるの…?」
色が黒い飲み物と聞いて、グツグツと煮込まれ泡立ちながら異臭を放つ飲み物とは言えない毒物のイメージがテファの頭の中を過った。その顔を見てなにやらとんでもな想像をしていることを察し、シュウが即座に口を開いた。
「この世界のコーヒーが地球のものと同質なら飲めるだろう。それも巷で評判だと言うならな。俺もナイトレイダーにいた頃は良くコーヒーを嗜んでた。眠気覚ましの効能は夜型の仕事にはもってこいだし、あの苦味と香りは好きだしな」
マチルダたちを訪ねる以外にも、実はシュウもそのコーヒーが出るというカフェに興味が湧いたのも、今回の外出の理由である。
「へぇ、渋い味覚なんだな。俺砂糖がないと飲めない方だぜ」
「えぇ?苦いの?リシュ、苦いの嫌い」
サイトが感心を寄せるが、リシュが嫌いな給食でも見るかのように、嫌そうな顔を浮かべる。
「リシュくらいの子供には、苦いものはきついか」
「ぶー!リシュ、子供じゃないって言ってるでしょ!またリシュのこと子ども扱いするんだから」
「まぁまぁ…」
(苦いのが好きなんだ…どんな飲み物なんだろ?)
また子供扱いされ膨れ顔になるリシュをサイトがなだめる中、テファは、珍しくシュウが自分の好物だと告げたコーヒーに対する興味がわいた。シュウが好む味なら大丈夫だろうと安心を抱いて。
道中、シュウはすれ違う人々、そしてトリスタニアの街に並ぶ店を眺めていた。
「そういえばシュウ、テファも大丈夫だったか?ルイズから聞いたんだけど、この町はスリも結構いるって聞いてる」
サイトはその時のシュウに、初めてこの町を見たときの自分と姿を重ねていたのか、シュウに忠告を入れてくる。
「ティファニアさん、痴漢とかにも気を付けてください。見ての通り、街って結構混みますから」
「ええ。ありがとう」
テファがこの街に本格的に散策するのは、初めてのことだった。炎の空賊団に村の子供やマチルダと共に庇護され、虚無の力を持つ自分を狙ってクロムウェルに擬態したアンチラ星人に襲撃され、その後はアンリエッタによって城に招かれた。その後は子供たちをトリスタニアの修道院に預け、マチルダにも面倒を見てもらっている。今回の機会まで、街に出向くことさえままならなかった。折角の機会だからトラブルは避けたいものだ。
「あぁ、それなら適当にかわしておいた」
「あたしもいるんだ。うちのテファに手を出そうなんて男は生き埋めにしてやるつもりさ」
「ね、姉さん。気持ちは嬉しいけどそこまでしなくてもいいわ」
「はっはっは、冗談だよ。…半分は」
「半分もなくていいから!」
シュウとマチルダに頼もしさを感じつつも、姉代わりの物騒な発言にテファは呆れやら苦笑いやらと忙しくなる。
一応、この世界の通貨はある程度所
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