暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
黒星団-ブラックスターズ-part4/初邂逅!
[2/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

思わず口走ったリシュを、テファが踏み込んではいけないと、人差し指を唇の前で突き立てた。ちなみにシーちゃん、とはリシュがつけたシエスタのあだ名だ。
シュウの耳にもシエスタの舌打ちが聞こえたが、いちいち触れるだけ時間の無駄だと考えて触れることはなかった。
「着いてきた訳じゃない。たまたま街で出くわしただけだ。ずっと屋内に二人を閉じこけるわけにもいかないし、街にいるマチルダさんやチビたちにもしばらく顔を見せてないからな。そうしたら目的を忘れてデートに出掛けようとしてるお前たちを見かけた。それだけだ」
シュウ自身が言ったように、彼らは本当にたまたま出会しただけだ。
「やれやれ、冴えない顔にしちゃ相変わらず隅に置けない男だねぇ使い魔君」
「冴えない顔は余計だ…って!ふ、フーケ!?」
三人に続いてマチルダまでも、まるでさも当たり前に顔を出してきて、サイトは仰天した。
「え?フーケって…」
シエスタはサイトに対し何を言いだすのだろうと困惑を露わにした。テファからはサイト!と、シュウからはおい、と咎めるような一声に、サイトはやばっと自分の失言を自覚した。いやそりゃ急に現れたら驚くだろ!と文句を言いかけはしたが。
「フーケ?」
あくまで一介の、学院勤務のメイドであるシエスタはロングビルのことは知っているものの、しかしその正体が土くれのフーケであることは、破壊の杖騒動に直接関わったサイトたち、教員たちの間でもオスマンとコルベール以外には知れ渡っていなかった。トリステイン王国貴族がその養育施設である魔法学院にて盗賊風情の被害に遭い、犯人を結局取り逃したのだ。これだけでも貴族の面目が立たないとされたため、事件の結末と真相が関係者以外に知られることはなかったのだ。
聞き間違いでなければ、今間違いなくこの女…マチルダのことをフーケと呼んでいたサイトに、シエスタの視線が集中する。一体どういうことなのだと。
(やば、うっかり口走ってしまうとは、平賀サイト一生の不覚!)
ここしばらく結果的に放っておいてしまっていたシエスタのことだ。自分の預かり知らないところでまた新たに秘密を抱えていると気づけば、根掘り葉掘り問い詰めてくるかもしれない。
「あ、思い出しました!ミス・ロングビルではありませんか。どうしてこちらに?フーケ騒動の後、急に退職なされてそれきりと聞いておりましたのに」
だがシエスタはマチルダの顔を見て、かつて彼女が学院長秘書であった時のことを思い出した。
「え、ええ。覚えていてくれて光栄ですわ。実はそのフーケ事件でフーケを取り逃してしまった責任を取る形で学院を辞めなければなりませんでしたので」
マチルダとしては、あくまで学院の財宝狙いで学院の教師として入り込んだだけに過ぎない。どうせならさっさと忘れてくれた方がこちらとしてもありがたいところなのだが
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ