第五十三話 おさづけの理その二十
[8]前話 [2]次話
「それで阿波野君が一緒になったって」
「よかったですか」
「一人で行くよりはね」
今は素直にこう思っています。
「安全だし何よりも寂しくないし」
「いいんですね」
「ええ、じゃあ寮までお願いね」
「そうさせてもらいます、そういえば」
私の方を見てこうも言ってきました。
「僕入学してから先輩と一緒によく歩いてますね」
「そうね、それはね」
「嬉しいですね」
「嬉しいの?」
「はい、とても」
妙に嬉しそうに言ってきました。
「やっぱりいいですね」
「何がいいのよ、それ会った時から言ってるけれど」
「実際に嬉しいですから」
「それで言うの?」
「そうですよ」
「本当に変な子ね、けれど女の子はやっぱり夜道一人で歩くものじゃないわね」
このことは今の商店街の寂しさから実感しました、こんなところで何かあったらそれこそと思いまして。
「本当に」
「ですから白石さんも言ってくれたんですね」
「そうね、じゃあこれから機会があったらね」
「先輩のボディーガードにですね」
「お願い出来る?」
阿波野君にお顔を向けて尋ねました。
「これからもね」
「はい、先輩の為でしたら」
いつもよりも真剣な調子での返事でした。
「是非共」
「それじゃあね」
「先輩に何かあったら」
本当にいつも以上に真剣なお顔での返事でした。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ