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ある晴れた日に
603部分:アヴェ=マリアその三
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だった。
「逃げずに雨の中で自分が濡れるのも構わずに」
「そうだったのね」
 恵美は今は話を聞くだけだった。奈々瀬が俯いたまま話すことをだ。
「それで」
「こんなことがあったの」
 奈々瀬の言葉が変わった。
「私が小学校の頃テストの成績が悪くて残されて」
「よくある話ね」
「皆に先に帰ってって言ったの。それでずっと残ってたけれど」
 その時のことを瞼に思い出してさらに話していくのだった。

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