第百六十話
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第百六十話 トカイ
二人にトカイのボトルが一本ずつ運ばれてきた、雪路はそのトカイのボトルを見てカーミラに対して言った。
「まさかです」
「トカイとは思わなかったわね」
「とても」
こうカーミラに答えた。
「思いませんでした」
「そうね、けれどね」
「実際にですか」
「今からトカイを飲みましょう。それに」
カーミラはさらに言った。
「お料理もね」
「このお店は、ですか」
「凄くいいから」
それでというのだ。
「だからね」
「そちらもですね」
「楽しみましょう。サラダも」
見ればレタスとトマト、胡瓜にセロリと組み合わせはオーソドックスだ。だがそれでもだった。実際に食べると。
全く違う、それで雪路も言った。
「普通のサラダとは」
「違うわね」
「はい、全く」
こうカーミラに答えた。
「凄く美味しいです、ドレッシングも」
「お酢もオイルも違うから」
「普通のものとはですね」
「そう、だからね」
それ故にというのだ。
「普通のお料理とは違うのよ」
「素材が違うので」
「そしてシェフの腕もね」
こちらのこともあるというのだ。
「違うから」
「だからサラダでもですか」
「この味なのよ」
「そうなのですね」
「そしてサラダだけでなくね」
カーミラはさらに言った。
「これからのスープやオードブル、そして魚料理にね」
「メインディッシュもですね」
「デザートもね」
これまでというのだ。
「全く違うから」
「お料理も楽しめますか」
「トカイと一緒にね」
そうだと言うのだった。
そうして自分もサラダを食べるのだった、塩の味もしたがその塩自体も使い方も普通の塩のそれではなかった。
第百六十話 完
2019・5・16
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