600部分:誰も寝てはならぬその十八
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れが今娘に言うことだった。
「わかったわね」
「うん」
「わかったらもうシャワー浴びて寝なさい」
優しい微笑みはここでもだった。
「いいわね」
「うん。じゃあ」
「女の子はいつも奇麗にしないといけないから」
このことはこの母親も同じだった。つまり清潔にというのだ。
「だからね。晩御飯も食べたわよね」
「それは」
食べた。何とかではあったが食べることはできたのだ。
「じゃあ後はシャワーだけね。行きなさい」
「うん、ママ。それじゃあ」
「未晴ちゃん、絶対に見捨てたら駄目よ」
優しいが厳しい言葉だった。今のは。
「わかったわね」
「ええ」
最後に頷いて席を立つのだった。そうしてアルバムをなおしてからシャワールームに向かう。彼女もまた悩みから解き放たれたのであった。
誰も寝てはならぬ 完
2009・12・1
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