第三章
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「さっき知り合いと間違えたって言ってるな」
「そんな理屈が通じるのか」
「いや、あんた逵本の一発だけならって言葉に頷いてたからな」
それでというのだ。
「これも誤射なんだよ」
「だったらな」
今度は釘をこれでもかと打ち込んだバットを持った男が出て来た。
「これで後頭部思い切り殴ってもな」
「誤射だな」
「ああ、誤射だよ」
彼等の中で話した。
「バットもな」
「そうだよな」
「誤射なら仕方ない」
「文句言ったら駄目だよな」
「間違いは誰にでもあるよな」
「素振りしたら頭がたまたまあった」
「誤射だよ、誤射」
そういうことになるというのだ。
「じゃあ仕方ないよな」
「反撃も告訴も出来ないな」
「どんな怪我してもな」
「警察も呼べないし」
「どうしようもないな」
「ひっ・・・・・・」
青樹は彼等の言葉とそこにある悪意、敵井伊を感じて思わず失禁した。その姿も忽ちのうちにネットであげられた。
しかし彼はその時はそれはどうでもよく股間を濡らしたまま何とか足を動かして逃げ出した、そうして難を逃れたが。
このことはネット中で嘲笑の的になった、逵本は国会での発言力を失い青樹は人前に出ることはなくなった。
かくしてだ、ネットではこう言われた。
「自業自得だな」
「誤射にやられたな」
「誤射なら仕方ないしな」
「これも当然のことだな」
「というかよく誤射とか言ったな」
一発だけなら、というのだ。
「一発でも問題は問題だろ」
「それがわからないことって馬鹿だよな」
「本当に馬鹿だよな」
「あの国を擁護するでもな」
「用語すること自体がおかしいしな」
「日本にはあれだけ言うっていうのに」
自衛隊のことにしてもだ、よく批判する。そして原発のこともだ。
「それであの国にはそうだとな」
「本当におかしいだろ」
「ああした奴がまだ政治家とかジャーナリストとかってな」
「世の中おかしくなる筈だ」
「全くだな」
こんなことを話すのだった、逵本や青樹は自身の愚行により破滅したが世の中まだまだ愚者が多い。ネットではこのことも言われた。だがそれは別の話で誤射を言った者は誤射で滅んだ、そのことは事実だった。
一発だけなら 完
2019・2・12
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