第三章
[8]前話
「マスコミは本当に信頼出来ないな」
「嘘ばかり吐くな」
「自分達の主張の為なら何でもするな」
「こんなの観て読んでばかりだとな」
「絶対に馬鹿になるぜ」
「そうなるからな」
「ネットを見ていないと」
それならとも話すのだった。
「偏向報道鵜呑みにしてな」
「間違えるな」
「酉声みたいな奴本当に当選するぜ」
「簑部都政の再来とかな」
「前の政権交代もな」
「あれは本当にマスコミのせいだったしな」
この時のことも話された。
「マスコミを疑え、だな」
「何につけてもな」
「新聞は嘘書かないとかな」
かつて言われていた言葉はというと。
「それ自体が嘘だな」
「テレビもな」
「むしろ嘘ばかり吐く」
そうしたものになっていた、この件はやがて報道されなくなった。だがネットではこのことは言われ続けた。
「ほら、また言ってるぞ」
「またやってるぞ」
「まさにこんな人達だな」
「こんな人達そのものだよ」
こう口々に言うのだった、最早ネットでは『こんな人達』という言葉は定着していた。それは嘘、欺瞞、偏向と同義語であった。この言葉が消えることはなかった。そして酉声も落選したが。
テレビに平然と出演し上から目線で言い続けていた、そんな彼を見てネットはこれまで通りの極めて辛辣な言葉をかけた。
「こんな人達の代表格だな」
「落選したのに全然わかってないな」
最早テレビをまともに観るものは僅かになっていた、新聞を読む者もまた。そしてそうした者は増えていったが彼等の嘘は続いていた。そしてネットでもそれは指摘され続けていくのだった。先細りになっていくがその結末が異様に長いゲームの様に。
メディアの嘘 完
2019・3・11
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