第二章
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「男の子に見られたら大変ですよ」
「そうよね、じゃあね」
「そこは気をつけて下さいね」
「そうするわね」
千花は頷いたが神楽はそもそもサポートを穿き忘れること自体が困ったことだと思った。だがそれでも千花の性格と雰囲気にまあいいかしらと思った。
神楽は部活で千花と共にいて彼女のフォローもしていった、そんな中で千花は土曜日の部活の後で神楽にこう提案した。
「ねえ、明日部活ないから」
「日曜完全にオフだからですか」
「神楽ちゃんが暇なら」
剣道の防具を縛って収めつつ話していった。
「それなら何処か行かない?」
「明日は予定ないです」
神楽は千花にすぐに答えた。
「これといって」
「なら四条行かない?」
「あそこですか」
「あそこのお店回って」
そうしてというのだ、京都の四条は観光客相手の店だけでなく他にも多くの店があって地元の者もよく来ているのだ。
「ショッピングとかしない?」
「そうですね、それでは」
「うん、明日はね」
「四条でショッピングですね」
「そうしましょう」
「わかりました」
神楽は自分の防具を縛って収めつつ千花に答えた、そしてだった。
次の日二人はまずは京都市営のバス停の一つ四条大路のところで待ち合わせをした。神楽はラフな白いワンピースのスカートにサンダルという恰好だったが。
千花はパラソルにピンクのブラウス、赤のひらひらとしたミニスカートに飾りのついた白い靴といった恰好だった。
その私服姿の千花を見てだ、神楽は言った。
「あの、何か」
「どうしたの?」
「部長いつもそんな服装ですか」
「そうなの、こうした服が好きで」
「何か女の子ですね」
「そう言う神楽ちゃんも」
千花は神楽にふんわりとした調子で返した。
「ワンピースのスカートがね」
「女の子らしいですか」
「可愛らしいわよ、夏少女って感じね」
「いえ、部長はもう」
その大きな胸も見て言うのだった、頭のカチューシャもだ。
「本当に女の子らしくて」
「それでなの」
「負けます」
素直な感想だった。
「本当に」
「えっ、私に負けるの」
「はい」
そう感じるというのだ。
「本当に」
「そうなのね」
「そうです、ただ悪い男には気をつけて下さい」
神楽はこうも言った。
「そうした服装にぐっとくる男もいまして」
「それでなのね」
「言い寄られたりしますから」
「それでなの」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「部長みたいな性格の人にです」
「皆来るから」
「本当にです」
念押ししての言葉だった。
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