第三話「対話」
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?」
五河士道の言葉が気に入らなかったのかワルサーを握る手に力が入り額に少しめり込む。その様子を見て青を通り越して白くなりつつある五河士道は更に話を続ける。
「お、俺は五河士道。精霊である君と話がしたいんだ」
「…へぇ」
彼女は五河士道の言葉に目を細める。しかし、先程の様に苛立ちを感じていないのか突き付けていたワルサーをホルスターに戻す。漸く解放された士道は両手を降ろし安堵の息を吐いた。そして士道は気を取り直して彼女の方を見て口を開いた。
「あ、あの「お話をする前に幾つか質問があります」な、なんだ?」
「まずその1。何故精霊の存在を知っているのですか?一般人は普通存在そのものを知らないはずですよね?その恰好を見る限りいつも飛んでくるコバエ共ではないようですし」
「そ、それは…。俺はラタトスクという組織に所属している。そこでは精霊の保護を目的にして活動している」
「成程。ではあのコバエとは別の組織、それも敵対していると考えてよろしいのですか?」
「敵対している訳ではないけど、味方ではないな」
「…質問その2、の前に新たに出来た3の方から聞きますか。保護と言ってましたがどうやって保護をするので?まさか霊力が観測されていることを知って言いますよね?」
「あ、ああ。俺にはある力があるんだ。その力は精霊の霊力を封印できる。封印すれば霊力は観測されないから精霊は普通の人間として生活できる」
「…」
士道の言葉に彼女は何かを考え込むように顎に手を当てる。少しして考えがまとまったのか士道の方を見る。吸血鬼の如き真っ赤な瞳が士道を射抜く。
「大体理解はしましたがそう言う事ならお引き取り願います。私は霊力を封印されるなんて真っ平ごめんですので」
「でもそれじゃ現れる度にASTに…」
「そのASTというのがあのコバエの事ならご心配なく。あの程度物の数ではありません。私を倒したいなら精霊を殺せる実力者を連れて来ない限りね」
士道はここに来る前にASTを蹴散らした姿を見ているため言葉に詰まる。しかし、
「でもそれじゃ毎回ASTと戦闘になるだろ!何でお互いに争わなけばいけないんだ!話し合いで解決だって…」
「…ふ、ふふ」
士道の叫びに彼女は何が面白かったのか口から噴き出す。そして、
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!」
アリーナに響き渡る大笑いを上げる。よっぽど可笑しかったのかお腹を抱えもう片方のてを顔に当てている。
「な、何が可笑しいんだ!」
「ふふ、ヒヒ…ふぅ。五河士道と言ったけ?いやぁ、君には笑わせられたよ。久しぶりにこんなに笑った」
彼女は息を整え目じりに溜まった涙をぬぐうと絶対零度の如き冷たい視線を士道に向ける
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