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緋弾のアリア ──落花流水の二重奏《ビキニウム》──
幼馴染との同棲
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がらリビングを一瞥すると、どうやらエアコンがこの時期から忙しなく冷気を吐きに吐き出しているらしい。その風圧を頬に受けながら、ソファーの上に寝転がっているアリアに視線を遣った。キンジと白雪は、揃った動作で自分と彼女とを見回して苦笑している。
誰がエアコンを効かせたのかは、それだけですぐに分かってしまった。自分もつられて苦笑しながら、暑い暑いと悪態を吐くアリアの傍ら──せめてもと残されているソファーの端に腰を掛ける。そのまま空調のリモコンを手に取って見ると、冷房24度の設定でハイパワーにされている。なるほど、あの唸るような冷気と風圧はアリアの仕掛けたこの設定の仕業だったらしい。
「アリア、冷房を効かせすぎ。こんなにしちゃ身体に悪いよ。冷えちゃうでしょう」
「理想は28度ね。空気が循環するようにスイング設定で……、後は自動調節」そんなことを傍らの彼女に諭すように独り言ちながら、リモコンで設定を変えていく。
不意に部屋中が森閑として、それはそれで何だか気味が悪かった。「暑いものは暑いんだもん……。イギリスはこんなに暑くなかったわよぉ……」と、アリアの口元から洩れた悪態に少しだけ救われてしまったような気がして、どうにも仕様がなく思っている。
「……日本の気候が馬鹿なんでしょ。なによ、まだ5月なのに30度超えって」
手扇で顔を扇ぎながら、アリアは日本の5月への不快感を隠そうともなく露わにしていた。
「じゃあ、イギリスだと5月は何度くらいなの?」
「15度くらい」
「なんかごめん」
ここまでアリアが暑がるのも妙に納得してしまう。
「まぁ、今日は特別だから……。明日からはまた普通の気温に戻るよ」
「でも、8月になったら30度超えるんでしょ」
「そりゃあねぇ。夏だもの」
「えぇー……。嫌だぁ……」
アリアは拗ねたように寝返りを打つと、そのまま自分に背を向けて向こうを向いてしまった。気位に満ち満ちたいつもの彼女の面影は何処にも見えなくて、ご自慢のツインテールですら気怠げに悄然としてしまっているように感じる。このままいくと、夏バテならぬ春バテ気味だろうか。
どうしたものかな──と一考しながら、《境界》を経て冷凍庫の中に手を探る。自分たち4人ぶんのアイスを適当に手に取ってから、そのまま引き出した。手軽なパピコで良いだろう。
「ねぇ、アイス食べようよ。パピコだけど」リビングにそう投げかける。すぐさま跳ね起きたのはアリアだった。先程までの悄然とした顔はもう見えなくて、今はもうご機嫌になっている。まずは彼女に手渡してやってから、そのままキンジと白雪にそれぞれ渡してやった。
めいめいの「ありがとう」という声を耳に入れながら、自分もその袋を開く。中身を口に含むとそこは、ほろ苦
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