第五十三話 おさづけの理その十八
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「何かするかも知れないですが」
「何かっていうと?」
「いや、どうするかは」
いつもと違って私のお顔を見て真っ赤になっています。
「何も」
「出来ないよね」
「傍にいられるだけで」
「そうだね、そんな阿波野君だから」
「ボディーガードをですか」
「頼むんだよ、ただね」
白石さんは阿波野君ににこにことして言っていました。
「やがてはぐいっとね」
「ぐいっとですか」
「いくといいから」
「ううん、そうしていいんですか?」
「いいよ、千里ちゃんもどうかな」
「あれっ、何で私なんですか?」
私は白石さんの今のお言葉にびっくりしました、今の会話がどういった意味なのかさっぱりわからないと思っていた時にでしたから。
「私がぐいっ、とかですか」
「うん、どうかな」
「いえ、意味わからないですけれど」
本当にわからないのでこう言うしかなかったです。
「どういうことか」
「そうなんだ」
「はい、どういう意味ですか?」
「まあそれはおいおいね」
「おいおいですか」
「わかればいいから、まあ今は阿波野君のボディーガードを受けて」
そうしてというのです。
「寮に帰ってね」
「そこまで言われるなら」
私も断っては悪いと思いました、それで頷きました。
こうして阿波野君にボディーガードしてもらいながら詰所を出て寮に戻りはじめましたがおぢばの商店街、夜のそこを二人で歩いていますと。
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