ブルー・ブルー・ローズ その4(side:吉良吉影)
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て彼女の周りには、あの赤き茎の青いバラの花が咲いていた。
「そういえばそうだったな…。君は、私の正体を知った時に、スタンドらしき者を背後に出していたじゃないか。なぜ、私は君を疑わなかったのだろうな? この無間地獄のようなループを繰り替える原因を、君だと決めつけたくないという潜在意識がそうさせたのか。まあ、もうそんなことはいいんだ。私がここへ来たのは、ただひとつだよ、ミナミ。」
私は、青いバラの花を蹴散らすように進みながら、ミナミに近づいた。ミナミは、まるで人形のように動かない。
「君を殺して、私は…地獄を終わらせるよ。」
キラークイーンと重ね合わせた手で、ミナミの顎を掴んで持ち上げた。
「……抵抗しないのかね? 今私が触れている以上、いつでも爆破はできるぞ?」
何を言ってる…? 私は…。
『娘はのう…、恋をしておったんじゃ。可哀想に…。なのに、その恋は酷い形で裏切られてしまった…。』
「君は……、私に恋をしていたのかい?」
なぜ今、あの時の老人の言葉が脳裏を過ぎる?
そして、なぜ私は、そんなくだらないことを聞いている?
だが、ミナミは反応しない。まるで魂が抜けているような…、そんな気がしてしまうほど反応がない。
「ん?」
私は、ふと気づいた。
ミナミのブルネットの髪の毛に、明らかに白髪がある…ことに。
髪型を変えたぐらいではどうにもならないほど、大量に。
ああ、せっかくの美しいブルネットがこれでは台無しだ。
落ち着け…! そんなことを気にしている場合じゃない! ミナミを…、あの赤い根っこと、青いバラを消し去らなければならないのだぞ!
しかし、なぜ、親指を…起爆スイッチを押せない…?
「ミナミ…、君に聞いているんだ。」
そして、なぜ私は…、聞いている?
「君は…、私に恋をしていたのかい?」
ツゥ〜っと、ミナミの『青』から、透明なしずくが白い頬を伝った。
私は、それを答えだと受け取った。
ああ……、なんだ簡単なことだったんじゃないか。
私が、ミナミを殺すことになぜこんなにも躊躇していたのか…。
その答えはとうに私の中にあったのではないか……。
「私も、君が好きだったよ。ミナミ。」
私は、その答えと共に起爆スイッチを押した。
これで、終わる…。
私の人生で最初で最後の異性への告白と共に。すべてが終わるのだ。
だが……。
「!? っーーー!?」
世界が暗転した。
いや、赤い根っこの放流!?
私は、病室ではない、赤い根っこに支配
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