第7章:神界大戦
第214話「寄せ集めの希望」
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「想像力というか、無意識下で制限しちゃうものね」
三人が口々に言う。
確かに、普通なら無意識下に制限を掛けてしまう。
実際、三人共地球にいた時よりも大きく身体能力は上がっている。
だけど、僕に比べればそこまでではない。
「感情がない分、無意識下の制限がないんだろうね」
「その通りだ」
感情がなければ、意識して制限を切り替える事が出来る。
無意識下の制限……つまり、体が勝手に反応する制限も切り替えられる。
「以前は、限界突破してようやく私と互角だったのに……」
「とこよの強さをこれ程の差をつけて追い越すとはね」
とこよさんの矢と霊術が、僕の撃ち漏らした神や“天使”を牽制する。
倒しきっていないために復帰してくる神達を、紫陽さんの霊術が足止めする。
二人の地力だけでは抑えきれない不足分を、鈴さんが援護して補う。
そして、僕が前への道を切り開く。
進行スピードは三人に合わせて遅くなるが、それでもかなりの速さだ。
「見えた」
「あれか……」
「凄い数の包囲だね」
しばらく走り続けると、神や“天使”の数が増えてきた。
結界も埋め尽くされており、もはや結界が結界として機能し続けているのが奇跡だ。
おそらく、中にいる二人……特にサーラさんが“邪魔させない”と考えているからこそ、辛うじて戦場を隔てる役割を保っているのだろう。
「突破するぞ!」
まずは周囲の神に牽制代わりに攻撃を仕掛ける。
物理的な速さなら、神が相手であろうと上回れる。
厄介な“性質”も、今の僕なら無視も可能だ。
「おおっ!ッ!?」
牽制で怯ませる中、突然体が弾かれたように吹き飛ばされた。
“性質”の厄介な所は、こうして予備動作無しな上効果範囲が不明な所だ。
直接的な力は簡単には無効化出来ない。
「ちぃっ!」
炎や氷、雷、風の刃、様々な攻撃が僕を襲う。
僕だけでなく、とこよさん達にも襲うが、そちらは自分で何とかするだろう。
問題は、攻撃を食らっていては突破するための隙が作れない事だ。
「術式起動、痛覚遮断」
〈Anfang〉
ならばどうするか。……その答えがこれだ。
食らった事を気にしないようにしてごり押せばいい。
神界だからこそ出来る力技だ。
「ふっ……!!」
弾幕に何度も被弾する。その上で、何人もの神達を殴り飛ばす。
刹那の間にそれを繰り返し、一息で包囲に穴を開けた。
「今だ!」
「ッ……!」
―――“斧技・瞬歩-真髄-”
―――“扇技・神速-真髄-”
その瞬間を待ち望んでいたように、とこよさん達が包囲の中へと入り込む。
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