第7章:神界大戦
第214話「寄せ集めの希望」
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=とこよside=
「はぁっ!」
「ふっ!」
鈴さんの攻撃に合わせ、私は槍を繰り出す。
「遅いよ」
でも、それはあっさりと刀に受け流される。
「くっ!」
反撃の一撃を、鈴さんが受け止める。
受け止めきれない衝撃を返す柄を当てる事で援護し、相殺する。
「そこっ!」
少ない霊力で術式を編み、それで敵の私の術式を破壊する。
力のほとんどがあっち持ちな今、私はこんな小細工でしか霊術で対抗できない。
「はっはっ……!力のほとんどはそっち持ちの癖に、千日手じゃないか……!」
「うるさいね。力尽きるのはそっちが先の癖に」
それは、紫陽ちゃんも同じだった。
だけど、やはり自分自身。押し負ける事は早々ない。
押されながらも、紫陽ちゃんは的確に敵の紫陽ちゃんの攻撃を捌いていた。
「(紫陽ちゃんが持ち堪えている間に、“私”を倒す!)」
倒しきる必要はない。
洗脳の効果を解除さえしてしまえば、後は式神の術式を破棄すればいい。
そうするだけで、今の私の自我が本体に還元されて、元に戻る。
「とこよ!」
「分かってるよ!」
斧を投擲。刀を逸らして鈴ちゃんがそれを受け流す。
直後に矢を放つけど、それは障壁に阻まれた。
「(紫陽ちゃんと違って、捌ききる事は出来ない。鈴さんと二人がかりで、ようやく拮抗してる……!)」
力はあっち持ちだけど、武器は刀以外私が持っている。
それもあって、ようやく拮抗してるんだ。
戦法や色々な要素もあって、一対一だと捌けない。
「(せめて、刀さえあれば……!)」
刀があれば、もう少し戦術の幅が広がる。
得意な武器なのもあるけど……まぁ、ないものねだりしても意味ないね。
「―――ぇ?」
その時、視界の端の奥の方で、何かが動いた。
意識を逸らす訳にはいかないため、視線は向けない。
でも、隙は十分だった。
「こふっ……!?」
「とこよ!?ぐっ!?」
また殺された。今度は霊術による矢で喉を貫かれた。
これで……四回目かな?この戦いでは。
戦闘が拮抗していると言っても、少しでも隙を晒せば殺される。
鈴さんも何度か殺され、今もまた殺された。
でも、神界の法則のおかげで立ち上がれる。
「くっ!」
咄嗟に霊力を放出して、何とか間合いを引き離す。
体勢を立て直し、再び切り結ぼうとして……
「ッ!?」
巨大な剣がいくつも飛来した。
敵の私はそれらを躱すが、いくつかは刀で弾いたらしい。
「……そういう事」
それらの剣はおそらく、先程視界
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