暁 〜小説投稿サイト〜
リリなのinボクらの太陽サーガ
天空のアビス
[3/27]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ケイオス。こっちもちょうど一息ついてたところ……んん?」

戻ってきたケイオスの後ろに隠れるように、薄い桃色……ペールオーキッドピンクみたいな髪色の4歳ぐらいの少女(ショートカットでボーイッシュな雰囲気で少しの間、少年かと迷った)が、おどおどした様子で立っていた。
頼まれたこと以外は基本的にあまりしないケイオスが幼女誘拐とかするはずはないから、何かしらの理由があって連れてきたんだろうけど、珍しい光景だから驚いた。

「あぅ?」

さっきからSサイズのおけんこさまのぬいぐるみで遊んでたフーちゃんもその手を止めて、ぽかんと少女を見つめる。とりあえず私は少女の前へ行き、「こんにちは」と挨拶する。

「こ、こん……にちは……」

なぜこんな所に来ているのかわからないが……まずはその不安を拭うことから始めよう。円滑なコミュニケーションには、見た目や話しかけやすさなどの第一印象が結構大事だからね。

「こんにちは。君の名前は何て言うのかな?」

「へあ!? み……ミウラ……ミウラ・リナルディ……です。あ、あああ、あの……」

『あらあら、この子は人見知りなんでしょうか。ずいぶん緊張していますね』

「(ううん、イクス、私から見てこの子の緊張ぶりは人見知りのそれとは少し違うよ)……大丈夫? 話す前に一旦落ち着いて深呼吸しようか。ほら、すぅ〜……」

「すぅ〜、はぁ〜……すぅ〜、はぁ〜……」

「落ち着いた? ゆっくりでもいいから話せる?」

「は、はい。あの……実はボク、見てしまったんです。あ、で、でも……見間違えただけかもしれないし、ちゃんと言える気がしないので、やっぱり……」

「焦らなくてもちゃんと最後まで聞いてあげるから、ね?」

「あ……わかりました。えっと……見たのは昨日なんです」

その後時間をかけてミウラが話してくれた内容をまとめると、昨日の襲撃があまりに急だったので、彼女と彼女の家族は山の上の実家兼レストランからこのシェルターまで避難できず、嵐が過ぎるのを待つように家の中でじっと朝まで隠れていた。それからしばらく経ってギジタイの雨が止み、街の方が静かになったので襲撃が収まったのかもと様子を伺った所、私達も見つけたアースラの救助に向かう局員の集団を見つけた。

救助部隊が動けてるということは襲撃は収まったと見て、一安心するまで残ったアンデッドや端末兵器が家にやって来ないか双眼鏡で警戒していた。ついでにさっき見つけた救助部隊の様子も興味本位でチラチラ見ていたのだが、海の中の救助活動ということで潜水服に着替えていた時、部隊を仕切っていた黒い服の局員がいきなり“二人”に増えて、“一人”になったらしい。

「二人が一人に?」

「と、遠くから双眼鏡で見てたので、もしかしたら見間違えたのかもし
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ