天空のアビス
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第1管理世界ミッドチルダ
アウターヘブン社FOB 司令室
「―――フゥ、やっと諸々の情報に目を通せたけど……すごいね、色んな意味で……」
「アウターヘブン社の諜報力のこと? それとも次元世界のブラック度かい?」
「両方。人体実験に薬物投与、ウイルスに化学兵器……ロストロギア関係なく世界中に厄ネタ満載過ぎ」
そしてそれを調べ抜いているアウターヘブン社もホント凄い。ぶっちゃけ管理局の捜査を完全に超越しているから、自称次元世界の守護者の立場が完璧に奪われていた。
椅子の背もたれに寄りかかって、ぐい〜っと体を伸ばす。傍で雑務をしていたシオンはそれを見て微笑する。なお、今朝護衛をすると言ってくれたケイオスはナンバーズと外で他の仕事をしてもらっている。私を気遣ってくれたケイオスにはちょっと悪いが、この仕込みをやっておかないと次の襲撃があった時に詰むから先にそれを優先してもらった。頼んだのはちょっとしたことだから、大した手間ではないが。
「しかしシャロンの策はなるほどと思ったよ。私としたことが、どうして思いつかなかったんだろう?」
「疲れてたんだから仕方ないよ。シオンは私から見ても激務続きだったし」
実際、シオンの背中からは時々蜃気楼のような空間の揺らぎが見える。彼女にも疲れを癒してくれる狐神様的な存在がやってきて欲しいな。
「でもこうして戦略面を任されたおかげで気づけたよ、罠を仕掛けるのは楽しいってことにね」
「あぁ……そうなのかい……(今日の彼女を見ていると、この前アニメの再放送でやってた皇子系魔王を思い出すよ。私の知らない間に、彼女の中にあった目覚めさせてはいけない何かが目覚めたのかもしれない)」
シオンが今何を思ったのか知らないが、そもそも私は前線に出たいタイプじゃない。今は自分がやらないといけないだけで、本当ならホームで家事や料理でもして帰りを待つ方が性格的に向いている。
『旦那の帰りを待つ奥さんですか?』
そこ、茶化さないで。大体戦い自体があまり好きじゃないんだからしょうがないでしょ。特に次元世界の魔法を間近で見ると、どうしても友達を消し飛ばした魔法がフラッシュバックする。こういうトラウマがあるから、私は次元世界の魔法が嫌いなのだ。
話を戻すけど……私が策を出す時から思ってたが、最初から都市開発をちゃんとやっていれば、ここまで劣勢にはならなかったんじゃない? 廃棄都市区画なんか今ではアンデッドの巣窟同然だよ。
「そういや今更だけど、レジアス中将ってミッドじゃかなり有名人らしいね。あの人がいなきゃミッドはもっと荒れてたとか何とか」
「ま〜彼にとってミッドを守るのは生き甲斐というか、一生を賭けた夢だから当然ではあ
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