第三話 不戦勝
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をしようぜ────お前は黒いポーンを賭けな」
不遜に告げるグシに、だがジブリールもまた冷静に応じる。
「そちらが賭けるのは、術式作成者の情報でございますか?それだけではチップ不足にございます────分からない訳ではないでしょう」
そう、刃の如き眼光で応じるが────
「当然だ────俺はそんなみみっちいチップの載せ方はしねぇよ。
俺は俺の保有する刻印術式の知識を全て賭けよう」
「ふぇっ!?そそそそんな大サービス、よ、よろしいのですかッ!?」
────その気迫は、グシの言葉で木端微塵にされる。そして、だらしない笑顔で、
「で、では早くゲームを始めましょうさあ【盟約に誓────」
「待ちな」
盟約に誓おうとするジブリールに、だがグシがそれを止め────
駄目押しにもう一本、とばかりに更に畳み掛ける。
「まだ俺のレイズの権利が済んでねえぜ」
「レ、レレレレレレレレイズでございますかッ!?」
────やりたいことが分かった、と空と白はグシに半眼を向け。
しかしジブリールは元ネタを知りようが無い故に、問うた。
「こ、これ以上何を賭けると言うのですかッ!?」
ジブリールは知らず知らずのうちに嵌められていた。グシは整った舞台に満を持して、トドメの一言を放つ────
「刻印術式に限定しない、俺の全ての魔法の知識も賭けよう。さあ────ゲームをはじめよう」
ダンッ、と。魔法まで使ったのか、テーブルを出現させ、白いコインを叩きつけた。
どこか既視感のある威圧感に、ジブリールは葛藤する。
────相手はグシ。勝てるかどうか怪しい────否、勝つ見込みは薄い敗色濃厚なゲームになる。
だが、絶対に知識は欲しい。あまりにも大きすぎるチップ、ここで逃せば二度と手に入らないレアな知識も多分に含まれているだろう。
そんな知識をみすみす逃したくはない。どうにか、どうにかして知識を────!!
その思考の無限ループがジブリールの精神力を奪う中。ついに見出された確実に知識を手に入れる方法を、彼女は口にする。
「で、でしたら、黒いポーンと交換でどうでしょう、うぇへへ〜〜」
同時、脳が限界に達したのか。
ジブリールは、コマをポロリと落とし、立ったまま気絶した。
「そんじゃま、コマは貰ってくぞ────どうだ『 』、不戦勝したぜ!?」
────先程までの威圧感はどこへやら。
子供のようにはしゃぐグシに、空は半眼で漏らした。
「……そうだな、じゃあお前の手札はブタか
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