三章 天への挑戦 - 嵐の都ダラム -
第36話 目標の違い
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に大きく出したもののような赤黒い色ではなく、凝縮させて火球にした後のような、黄色っぽい色をしていた。
しかも、それはアランの手からではなく、下の地面から噴き出てきたようにも見えた。
けっして大きくもなく、無駄のない炎。
灰となったアンデッドの体が、吹き続けていた風に乗って消滅していく。
骨の体の上に着けていた防具と、とっさに構えたのであろう盾が、次々と虚しい金属音を立て、地面に落ちていった。
アランは同じように、右や後ろ、そして前方にいるアンデッドたちも、一撃で灰にしていく。
あっというまに、赤髪の青年と黒ローブの男の一対一となった。
「馬鹿な……お前はいったい……」
絞り出すようなその言葉に対し、アランは一歩前に出た。
男は一歩、後ろに下がる。
「あなたのレベルがそこで止まったのは、目標がなかったか、もしくは低かったからなのでしょう。逆に私の目標は非常に高いところにありました。その差だと思います」
アランが微笑む。それはどこか寂しげだったが、もはや男がそれに気づける状況ではなかった。
「安心してください。命までは頂きません。彼≠ェここにいたら、きっとそうしてくれって頼んできたでしょうから」
直後、アランの左手より小さな火球が発せられた。
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