第29話
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事もできません。――――――ならば、せめて戦後の皇太子殿下の御立場や御身をお守りしたいという理由もありますから、どうかお気になさらないでください。」
「クルトさん…………」
クルトの決意を知ったアルフィンは複雑そうな表情を浮かべた。
「…………ミルディーヌ。”ヴァイスラント決起軍”だったかしら。どうして貴女は”ヴァイスラント決起軍”のトップである”総主宰”という立場でありながら、メンフィル帝国軍の義勇兵になったのかしら?」
「トップである”総主宰”を欠いた状態なんて、””ヴァイスラント決起軍”にとっては色々と混乱すると思われるのですが…………」
「ふふっ、”ヴァイスラント決起軍”に関しては元々オーレリア将軍とウォレス准将にお任せする手筈になっていますし、いざとなれば今後の動きについて通信で指示を出す事も可能ですから心配ご無用ですわ。それに私がメンフィル帝国軍の義勇兵になった理由も先程説明したはずですが?」
エリスとセレーネの指摘に対してミュゼは静かな笑みを浮かべて答え
「確か叔父であるカイエン公が内戦で姫さんにかけた迷惑の償いをする為に、メンフィル軍に身を投じた姫さんを支えたいという理由だったよな?」
「エリスさんはその理由を聞いても何か納得できない部分があるんですか?」
フォルデはミュゼがメンフィル帝国軍に入隊した理由を思い返して口にし、ステラはエリスに訊ねた。
「ええ…………ミルディーヌの性格を把握している私や姫様からすれば、ミルディーヌがそんな殊勝な事をするなんて思えないんです。」
「そうよね…………?今の状況を考えるとわたくしがメンフィル帝国に向かうと察していながら、止める事もしなかったのは、メンフィル・クロスベル連合と予め繋がっていてわたくしがリィンさんのお陰でわたくしの処分が実質軽くなっているようなものだと知っていてもおかしくないのよね…………」
ステラの問いかけに頷いたエリスはジト目でミュゼを見つめ、エリスの言葉に続くようにアルフィンは困った表情を浮かべてミュゼを見つめた。
「まあ…………女学院でお世話になったエリス先輩と姫様には内戦では御力になれなかった分も含めて今回の戦争では御力になる為に、祖国に刃を向ける悲壮な決意をして”ヴァイスラント決起軍”を纏め上げて私自身はメンフィル帝国軍に入隊したというのに心外ですわ…………クスン。」
「そんなわざとらしい態度ですと、逆に先程説明して頂いた貴女の意図が怪しく思えてくるのですが。」
二人の指摘に対して心外そうな表情を浮かべて答えた後わざとらしく鳴き真似をしたミュゼの行動にリィン達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中アルティナはジト目で指摘した。
「ミ・ル・ディー・ヌ?」
「あぁ…………!再会して早速エリス先輩の”それ”を久しぶりに見る事ができて
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