第29話
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エンと申します。ちなみに私の愛称は”ミュゼ”ですので、今後私の事はどうか”ミュゼ”と呼んでくださいませ♪」
「”ヴァンダール子爵家”当主マテウス・ヴァンダールが次男、クルト・ヴァンダールです。メンフィル・クロスベル連合側になる事を決意されたアルフィン皇女殿下の御身をお守りする為に”ヴァンダール子爵家”から派遣されてきました。以後お見知りおき願います。」
エリスとアルフィンの様子を見て困った表情を浮かべたリィンに自己紹介を促された二人はそれぞれ自己紹介をし
「ええっ!?カ、”カイエン”という事はまさかミルディーヌさんはあのカイエン公の親類に当たる方なんですか…………!?」
「フフ、クロワールは私にとって”叔父”になります。」
「カイエン公の”姪”…………聖アストライア女学院に通っている事だけは情報局の情報にはありましたが…………」
「しかも代々エレボニア皇家の守護職についていたヴァンダールまで、幾らアルフィン皇女殿下の護衛の為とはいえ、何故”敵国”であるメンフィル軍に…………」
驚きの声を上げたセレーネの問いかけに静かな笑みを浮かべて答えたミルディーヌ――――――ミュゼの話を聞いたアルティナは考え込み、ステラは信じられない表情でクルトに視線を向けた。その後二人はそれぞれ事情を説明した。
「そんな…………わたくしのせいで、クルトさんもそうですがオリエさんまで、祖国であるエレボニアを裏切る事になるなんて…………女学院の寮に残していった手紙にもわたくしの事はもはやエレボニア皇女としては相応しくない為、エレボニア皇家とは縁を切った小娘として扱うようにと書いておいたのに、どうして…………」
「…………確かにオズボーン宰相達帝国政府や、政府の判断に同意したユーゲント皇帝陛下はアルフィン皇女殿下の捜索を打ち切る事を決められましたが、アルフィン皇女殿下の廃嫡や縁戚関係を抹消するような事は行っていません。それにメンフィル・クロスベル連合についた皇女殿下はリィン少佐の目的――――――”戦争で活躍してエレボニアを存続させる事”を協力する為に、敢えてメンフィル帝国軍に身を投じたとの事。ならば例え帝国政府から代々続いていた皇族守護職のお役目を奪われようと、ヴァンダール家が代々誇りとしている本懐を遂げるだけです。ですからどうか、自分や母の事でご自身の事を責めないでください。自分もそうですが母も、”自らの意志でメンフィル・クロスベル連合につくことを決めた”のですから。」
事情を聞いて悲痛そうな表情を浮かべたアルフィンにクルトは静かな表情でフォローの言葉を伝えた。
「ですがクルトさんは本来、セドリックの護衛でしたのに…………」
「…………その皇太子殿下の護衛も、先程説明しましたようにオズボーン宰相達帝国政府によって解かれた今の自分では皇太子殿下のお傍でお守りする
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