ありふれた職業で世界堪能 2
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の状態にもよるけど、一日から三日もあれば何処でも量産できるらしい。土の状態が悪いとそっちの改善から始めるからプラス二日程かかるらしい。
「日本の農家に謝れ」
「それ相応の努力はしている。大豆からとうもろこしまでどうやって調整してると思ってるんだ」
そういえば基本は大豆っぽいものをスキルでこねくり回してたっけ。
「なんで大豆がとうもろこしになるんだ?」
「遺伝子改良に近い。味と栄養価を弄るだけなら簡単なんだが、この見た目にするのに苦労してるんだよ。促成も魔力配分とコントロールをミスれば奇形になるからな」
「そういうものなのか?」
「何より、突然変異が怖い。汚染植物を作るわけにはいかないからな。マンドラゴラなんて食いたくないだろう?」
「生えたのかよ!?」
「生えた。抜いて叫ぶのと同時にナイフでさっと切り落として収穫した。毒抜きをしてから食べたが苦味がキツ過ぎた」
「ああ、あれは酷かったね。テンションが下がって、徹君が迎撃に失敗して兎に蹴られてたっけ」
「二度とあんな惨劇は起こしたくない」
オレが再開する直前ぐらいの話なのか。
「あっ、言い忘れていたが風呂を用意したが、水を用意しきれなかった。飲水とか畑に撒く分はなんとかなったんだが」
「ユエ、水出して水!!」
「んっ、任せる!!」
「そっちの奥を左だ。浴衣っぽいのも用意はしてあるから。逆方向の右がトイレだ」
駆け出す二人を見送ると徹が肩を叩いてきた。
「結構臭うぞ。やった、やられた?まあ、卒業おめでとうだったか」
「ぶっ飛ばすぞ!!」
笑いながら仙豆の木の世話を始めたので手出しができない。まあいい、此処でなら昨日みたいなことにはならないだろう。香織達の後に久しぶりの風呂に入る。改めて自分の体をはっきりと見て、地球に戻れるのか不安になる。白くなった髪、肘から先がなくなった左腕、何より命を奪うことへの容赦が無くなった。敵対するなら人だろうが殺せると思う。
地球に、日本に、家に帰りたい。あの退屈だとさえ感じていた日常に帰りたい。だけど、本当に日常に帰れるのか?両親はどう思う?社会的にオレたちの扱いはどうなる?
不安を抱え込んだまま割り当てられた自室で新しい武器を錬成する。徹の馬鹿力で倒しきれなかった蠍のように硬い魔物用に更に強力な火器が必要だ。ドリルさえあれば徹がなんとかしそうなイメージがあるが、それはそれ、これはこれ。対物ライフルをモチーフに専用の弾丸とレールガン用の強力なバッテリーを搭載する。これで纏雷と併用することであの蠍相手でもなんとか倒せるはずだ。
「晩飯が出来たぞー」
少し前から刺激臭がしていたので少し不安になりながら居間に向かう。六畳間の真ん中にちゃぶ台が置いて
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