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ある晴れた日に
573部分:鬼め悪魔めその九

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鬼め悪魔めその九

「そうだったの、竹山も」
「うん」
 竹山は咲の問いにこくりと頷いた。
「こっちはネットで調べたけれどね」
「そうだったのね」
「つまりは」
 恵美が言ってきた。
「複数の情報で同じことを言ってるってことだから」
「信憑性は高くなったね」
 加山が彼女に続いた。
「それもかなり高くね」
「だよな」
「それはな」
「間違いないわね」
 皆二人の言葉を認めるしかなかった。
「ってことはよ」
「そうなったら」
「まずはね」
 恵美がここでまた皆に言った。
「音橋のことだけれど」
「あ、ああ」
「あいつか」
「どうするの?それで」
 あらためてその彼等に問うてきたのだ。
「言うの?それとも言わないの?」
「ここは止めた方がいいね」
 竹山が言った。
「今はね。止めた方がいいね」
「止めるのかよ」
「それで」
「うん」
 彼もまた皆に述べたのだった。
「ここはね。その方がいいよ」
「何でなんだ?それは」
「言わない方がいいっていうのは」
「皆さ、好きな人が今の竹林さんみたいなことになったらどうするかな」
「えっ、それは」
「やっぱり。その時は」
 皆それを聞いてまずはギクリ、とした顔になった。
「ほら、伊藤さんだってさっき」
「うちかよ」
「うん、激昂したじゃない」
「悪かったな、あの時は」
 その時のことをこう言って彼に謝った。
「本当に」
「いいよ。ただ今だって」
「今もかよ」
「うん。どうかな」
 また春華に問うてきたのである。
「今だって。その吉見哲也にはどう思ってるかな」
「正直に言っていいか?」
「私も」
「私もだけれど」
「いい?」
 ここでも凛と静華、そして咲が言ってきた。しかし奈々瀬は俯いて暗い顔をしているだけだった。何故か五人の中で彼女だけがそうなっていた。
「うん、どう思ってるのかな」
「そいつ見つけ出して再起不能にしてやるよ」
「何があってもね」
「許さないから」
 やはりそれが本音であった。
「見つけたら絶対に」
「未晴の仇だし」
「そうだよね。それと同じだから」
 だからだというのだった。
「言わない方がいいよ」
「そうだよな。やっぱりな」
「それはな」
 皆それを聞いて頷くのだった。
「それにだよ」
「それに?」
「音橋君はあれで」
 また言うのだった。
「伊藤さんよりずっと感情的なところがあるし」
「うちよりもかよ」
「うん、実はね」
 そうだというのである。

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