第五十三話 おさづけの理その十六
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「二年経ったらね」
「僕も戴きますね」
「だから今言ってもね」
「予習ってことで」
「別にそこまでしなくていいんじゃないかしら」
首を傾げさせて言いました。
「おさづけについては」
「そうですか」
「ええ、別にね」
「そうなんですか」
「そう思うけれどね」
こう阿波野君に言いました。
「私としては」
「そうですか」
「ええ、それとね」
「それと?」
「私もうそろそろ着替えないといけないから」
「あっ、着替えてですね」
「寮に戻らないといけないから」
「わかりました、じゃあまた明日」
「明日っていっても」
その明日は始業式です、私にとっては高校生活最後の学期のはじまりです。
「明日は忙しいわよ」
「ですが会えばその時は」
「宜しくっていうのね」
「はい、お願いします」
「全く。何でかいつも会うのよね」
これもお引き寄せでしょうか。高校にいて阿波野君と会わない人はないです。それどころか休日にも会う位です。
「それでなのね」
「はい、また明日ってことで」
「ええ、じゃあまた明日ね」
「宜しくお願いしますね」
「それじゃあ私着替えて」
またこう言いました。
「寮に帰るから」
「東寮ですね」
「また神殿の方に行くけれど」
女の子の寮である東寮は奥華の詰所から見て神殿の向こうにあるからです。
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