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ある晴れた日に
569部分:鬼め悪魔めその五

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鬼め悪魔めその五

「今日は音橋もまだだし」
「それじゃあ」
 まずは竹山がクラスに入って来るのを待った。彼が来たのはすぐだった。
「おはよう」
「ああ。おはようさん。それでな」
「話聞いたけれど」
 すぐに彼に対して問う彼等だった。
「徹夜で調べてたんだよな」
「それで何かわかったの?」
「ああ、あのこと話したからな」
 野本が従兄弟に対して告げた。
「別によかったよな」
「うん、どのみち皆に話すつもりだったし」
 こう従兄弟に返す竹山の顔はいつもよりも遥かに深刻なものであった。
 そしてその深刻な顔で。皆に対して言うのだった。
「しっかりと聞いて欲しいけれど」
「しっかりとかよ」
「そんな話なのね」
「うん、まずはね」
 とりあえず空いている席を見て言うのだった。
「座って話したいけれど」
「ああ、わかった」
「じゃあ」
 皆それに頷いてすぐにそれぞれの席を持って来た。そのうえで座って彼の話を聞くのだった。
「それでだけれどな」
「何がわかったんだ?」
 野茂と坂上が彼に問う。
「徹夜で調べてな」
「どんなことがなんだよ」
「あの弁護士のことなんだろ?」
「昨日話してたあの」
 坪本と佐々はその察していることを問うた。
「どんな奴なんだ?それで」
「とんでもない奴ってのはわかったけれどよ」
「想像以上だったよ」
 彼等の問いにこう返した竹山だった。その顔は蒼白にすらなっていた。
「左翼の過激派とかカルト教団とかテロ支援国家の組織と深い関係があるだけじゃなくてね」
「まだあったんだ」
 加山がそれを聞いてその細い目をさらに細く鋭いものにさせた。
「それだけじゃなくて」
「うん、企業とかを脅迫してそれで金を取るようなこともしているんだ」
「それってつまり」
「総会屋みたいなものね」
 明日夢と恵美はそれを聞いてすぐにこの剣呑な名前を出してきた。
「そういう奴なの」
「余計にとんでもない奴なのね」
「そしてね」
 まだあるのであった。
「ほら、息子がいるって言ったよね」
「あ、ああ。そうだったな」
「そんなことも言ってたわね」
「だったよな」
「その息子だけれどね」
 竹山の語るその顔が。さらに暗くなりまるで漆黒の様になった。
「あの、言うけれど」
「って何だよ」
「急に暗くなったけれど」
「どうしたんだよ」
「驚かないで聞いてね」
 こうも念押ししてきたのである。
「くれぐれも。いいね」
「くれぐれもって」
「何があるのよ」
「普通の人間じゃないみたいなんだよ」
 こう言ってきたのである。
「どうもね。これも不確かなところのある情報だけれど」
「御前がそんな不確かな情報を出すかよ」
 横から野本が言ってきた。

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