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レーヴァティン
第百十三話 返す刀でその十

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「そしてぜよ」
「そのうえでか」
「その人の中からじゃ」
「相手を選んでか」
「そのうえでぜよ」
 まさにというのだ。
「選んだらいいぜよ」
「ならな」
 英雄は当季のその言葉に頷いた。
「暫くな、政をしつつな」
「相手のお話をじゃな」
「集める」
 英雄は一つの断を下した。
「これからな」
「そうするぜよ」
「尚相手は年齢は俺と同じ位だが」
 それでもとだ、英雄はここでまた述べた。
「だが生まれや育ちはな」
「気にせんのじゃな」
「俺にとってはどうでもいい」
 相手の生まれや育ちはというのだ。
「そんなものがよくても中身が悪いとな」
「意味がないんじゃな」
「俺は女は好きだが」
 それでもというのだ。
「大事なのもわかっているつもりだ」
「それが中身じゃな」
「顔は極端に器量が悪くない限りいい」
「普通でもじゃな」
「いい、顔で問題なのは相だ」
 人相だというのだ。
「それが悪い女はだ」
「顔も悪いのう」
「性格の悪さが出てな」
「そうしたおなごはじゃな」
「全く興味がない、性根の悪い女を抱くこともだ」
 例え遊ぶにしてもというのだ。
「そちらもだ」
「好きじゃないんじゃな」
「そうだ、何も面白くないどころかだ」
「嫌なもんじゃな」
「そうだ、だから正室もな」
 その相手もというのだ。
「やはりな」
「心根のよいおなごか」
「その者がいい」
 是非にと言うのだった。
「その話を集めてな」
「そしてじゃな」
「相手に選びたい」
 こう言ってだ、英雄は正室を探すこともはじめた。政をしつつそちらもしてそのうえで相手を探したが。
 一人の女の話を聞いた、その女は播磨の神戸の西の方にいた。英雄はその女の話を聞いてそのうえで言った。
「神戸の俺達の世界で言うとだな」
「長田でありますな」
 峰夫が応えた。
「丁度」
「そうだな、神戸の下町だな」
「その町娘でありまして」
「小柄で元気がよく活発なか」
「よいおなごであるとであります」
 まさにというのだ。
「評判であります」
「そうだな、ではだ」
「その人のことをでありますな」
「より聞こう、そういえば俺達が起きた世界でもな」
 この世界のこともだ、英雄は述べた。
「長田の天理教の教会の娘さんがな」
「八条分教会でありますな」
「あの教会の娘さん、従姉の人もな」
「かなり可愛くて性格もいいと評判でありますな」
「大学を経営している八条家は天理教だからな」
 信仰している宗教はこの宗教なのだ、それでこの宗教を信仰していてその教会にも一族の者がよく出入りしているのだ。
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