第百十三話 返す刀でその七
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「治めてくれる」
「それでは」
「あの者を置きな、そして勘定奉行だが」
英雄はこの役職の者の話もした。
「池田にしたが」
「財政に明るいので」
「しかも生真面目だ」
性格のこともあってというのだ。
「だからだ」
「あの御仁は勘定奉行ですね」
「それで財政のことを見てもらう」
自分達の勢力のそれをというのだ。
「これからな」
「それでは」
「財政は任せてな」
「やっていきますか」
「そして老中だが」
「五人ですね」
「栗橋、羽田、石渡、佐々木、吹石のな」
その彼等にというのだ。
「あの連中に政のおおまかなところは任せていく」
「そうしていき」
「そして全体の監視役の大目付はだ」
「平野殿ですね」
「あいつにした、それではな」
「文はそれでやっていく」
政、それはというのだ。
「そして武もな」
「そちらもですね」
「人がある程度揃った」
「ならですね」
「人材も揃ってきたしな」
「一度ですね」
「関西全土を治めていく」
今領国にした国々全てをというのだ。
「そしてだ」
「足場をもう一度固めて」
「これからの政を進めていく」
「そうしますね」
「暫く戦をしていて国も疲れている」
「領土は広くなったけれどね」
奈央は英雄の今の言葉に応えた。
「それでもね」
「そうだ、戦はやはりな」
「力を使うわね」
「国力をな、随分と銭も使った」
「だから今はね」
「暫く政をしてな」
そうしてというのだ。
「休むと共にだ」
「国を整えていくね」
「国力も高めていってだ」
そのうえでというのだ。
「次に移る」
「そうしていくね」
「安土と姫路にも城を築くしな」
「そうだね、今は戦よりも」
「そちらだ」
政だと言うのだった、そしてだった。
英雄は今度は政に専念した、整えた仕組みに人材を入れて行うそれはこれまでとは比較にならないまでに効率がよくしかも的確だった。
それでだ、英雄は言った。
「やはり仕組みを整えてな」
「人もいるとね」
「かなりな」
それこそとだ、英雄は桜子に応えた。
「違うな」
「そうだね、あたしも実感してるよ」
「お陰で領国全体がな」
「かなり整ってるね」
「いいことだ、ではだ」
「これからもだね」
「この仕組みでだ」
「政をしていくね」
「そうしていく」
まさにというのだ。
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