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狼であることを忘れて
第二章

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「それが」
「そうなのですか」
「そして依頼は」
「実は婚約者が失踪しまして」
「依頼でも書いていましがね」
「はい、ですが」
 それでもとだ、少女はカマンダそして彼の隣にいるゴーディマーに話した。三人で喫茶店に入ってそこで向かい合ってコーヒーを飲みながら話している。
「その彼も」
「ワーウルフですね」
「そうです、同族ということもあって幼い頃から仲がよくて」
 それでというのだ。
「先日お互いの家でもお話をして結婚をと」
「なったところ」
「彼がいなくなったのです」
「そうなのですね」
「彼もワーウルフなので」
 この種族だからとだ、少女は話した。見れば外見はごく普通のアフリカ系の少女だ。褐色の肌と小柄な身体が可愛らしい。
「ですから」
「月の関係で、ですね」
「狼人の姿になります」
「左様ですね」
「ですから特徴としては」
 それではというのだ。
「やはりです」
「夜になると狼人の姿になる」
「ですから」
「目立ちやすいですね」
「探すことは簡単だと思います」
「それな、種族の特徴な」
 ゴーディマーもコーヒーを飲みつつ言ってきた。
「それぞれあるからな」
「そうですね、私達ワーウルフもまた」
「その特徴がある」
「ですから探すことは簡単な筈ですが」
 それでもと言うのだった。
「これがです」
「中々見付からず」
「警察にお願いして人探しの依頼を出そうとして」
 それでというのだ。
「お巡りさんのアドバイスで」
「ギルドに依頼を出されたのですね」
「はい」
 その通りだとだ、少女はアマンダに答えた。
「左様でした」
「そうでしたか」
「この度は」
「今コンゴは巨人軍が不穏な動きを見せています」
 カマンダはこのことについて言及した。
「十星連合全域で巨人達を信仰し破壊活動を繰り返す彼等が」
「自分達も巨人みたいにするって言うてな」
 ゴーディマーも言ってきた。
「それでな」
「彼等を放置していますと」
「テロするからな」
「看過出来ません、ですから警察だけでなく軍も動員して」
 そしてというのだ。
「探偵社にも内密の捜査を依頼している程です」
「街の中で連中が活動してるかも知れんからな」
「ですから」
 それでというのだ。
「今警察も余力がなく」
「探偵に依頼するにもな」
「限界があるので」
「それでギルドにやな」
「今コンゴはギルドに頼っています」
 そうした状況だというのだ。
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